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青森2012 その1・・・津軽鉄道 乗車記 [鉄道旅行記]

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2012.10.26~28
青森
2012 その1
「全線完乗」へ向けて・・
津軽鉄道 乗車記
  

前回の「ONE-shot」で先に伝えたように、先週末は金曜日に休暇を取って、土・日と合わせた三日間で青森県へ。実はこの青森遠征、当初は津軽鉄道の乗り潰しが目的ではなく、先月に行った海外出張の仕事が落ち着いたら東北あたりでのんびりと撮り鉄がしたいと思い、ひと月ほど前から計画していたものだったのです。昨年は惨敗に終わった田沢湖線(秋田新幹線)の紅葉をリベンジするもよし、今や貴重となった「正統派ブルトレ」の「あけぼの」を撮影するもよし、しばらくご無沙汰になっている津軽線や大湊線の乗り鉄なんかもイイなぁ・・・などと、いろいろなプランが浮かぶものの、大筋は昨年に近いものでまとまりつつありました。しかし前回も書いたように、ここへ来て弊ブログの一枚写真コーナー「ONE-shot」が#99となり、次は節目の#100。「ONE-shot」の番号に深い意味は無いけれど、せっかくこのタイミングで100回目となるのなら、なにか想い出に残るような一枚を載せたいもの・・・o(゚^ ゚)ウーン。。。そこで急遽、出発の三日前に計画を変更。この機会に最後の一線としてずっと残していた津軽鉄道を乗り潰し、晴れて鉄道全線完乗(鋼索線を除く)で撮った一枚を「ONE-shot」の#100とする事にしました。そのおかげで列車の指定券や宿の予約を変更するハメになってしまいましたが(田沢湖線の紅葉のリベンジは、来年以降へ持ち越し・・・)、なんとかウマく調整できて準備万端。もちろん先に挙げた津軽鉄道以外にも鉄的な魅力満載の青森で、「乗り鉄」「撮り鉄」を存分に楽しんで来ようと思います。それでは東北新幹線に乗って青森へと向かいましょう。

(*写真の枚数が今回は(も?)ちょっと多めになっています。いつもよりサイズ・画質を落としていますが、もしページを開くのが重かったり、閲覧に支障があるようでしたら、スミマセン・・・m(_ _)m )


10月26日(金)

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早朝の東京駅に並んだE2系。
左が私の乗る「はやて11号」新青森行きです。
12.10.26 東北新幹線 東京

朝イチの「はやて」で東京を出発し、一路北へ。この時期に東北新幹線へ乗ると北へ行くほど徐々に紅葉の色づきがよくなり、目を楽しませてくれるのですが、今年はまだ盛岡あたりでも色づき初めと言ったところ(10/26現在)。田沢湖線や北上線など山深い路線に入ればピークを迎えているのかもしれませんが、東北線沿線ではあと一~二週間後が見頃かな?

東京0628-(はやて11号)-新青森1001

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開業からまもなく二年を迎える東北新幹線の新青森駅。
在来線(奥羽線)ホームで接続待ちしているのは、
函館行きの特急「スーパー白鳥」です。
12.10.26 奥羽本線 新青森

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新青森からは奥羽線の秋田行き普通列車に乗車。
車両は東北ローカルですっかりおなじみとなった701系。
12.10.26 奥羽本線 新青森

新青森から奥羽線の上り普通列車に乗り換えて次に向かうのは、五能線との接続駅である川部。この日はさっそく津軽鉄道を目指します。津軽鉄道の起点は五能線沿線にある五所川原で、この五能線も決して本数が多い路線とは言えず、津軽鉄道へ乗るには起点駅へたどり着くだけでも大変です。五能線に乗るのは昨年秋に「リゾートしらかみ」へ乗って以来、約一年ぶり。そう、去年も五所川原まで来ていたにもかかわらず、津軽鉄道に乗ろうとはしなかったのです・・・。

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川部で五能線へ乗り換え。キハ40の二連です。
車窓から臨む日本海の絶景が五能線の魅力ですが、
今回は日本海へ出る手前の五所川原で下車しちゃいます。
12.10.26 奥羽本線 川部

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川部を出た五能線の列車は
しばらくリンゴ畑のなかを走ります。
ちょうど収穫間近で、たわわに実ったリンゴを
車窓からも眺める事ができました~(^^)
12.10.26 五能線 林崎-板柳(車窓から)

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南側の車窓には津軽富士こと、名峰・岩木山の姿が。
私はこの岩木山との相性はいいらしく、
だいたい訪れるたびにその美しい姿を拝む事ができます。
12.10.26 五能線 板柳-鶴泊(車窓から)

新幹線から電化幹線(奥羽線)、さらに非電化ローカル線(五能線)へと、まるで時代をさかのぼるかのような乗り継ぎをして、ようやくお昼ちょうどに五所川原着。東京から五時間半、これでも東北新幹線の新青森延伸により、所用時間はかなり短縮されているハズです。

新青森1040-(奥羽650M)-川部1115~1128-(五能828D)-五所川原1200

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何度か列車で通った事がある五所川原ですが、
駅を出たのは初めて・・・かな?(記憶に無い)
何となく平べったい印象のJR五所川原駅舎。
12.10.26 五能線 五所川原

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そのJR駅に隣接しているのが津軽鉄道の津軽五所川原駅。
てっぺんに掲げられた社紋が鉄的に萌えポイント。(^^)
12.10.26 津軽鉄道 津軽五所川原

津軽鉄道(津鉄)は、五能線と接続するここ津軽五所川原から、文豪・太宰治の出身地として有名な金木を経て、津軽半島の中央部にある津軽中里までを結ぶ、全長20.7キロのローカル私鉄。冬場には客車内にダルマストーブを用いる「ストーブ列車」が運行される事でも有名な鉄道です(ただし全列車にストーブが使われるのではなく、現在の「ストーブ列車」は観光客相手のイベント性が強い)。そんな津鉄へ私が訪れるのは89年以来、実に23年ぶりのこと。当時は五能線の完乗目的で東能代から五所川原へとやってきて、そのついでに津鉄へと立ち寄ったのです。

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23年前の初訪問時に乗ったのは、国鉄キハ20とほぼ同設計で
津軽鉄道オリジナルのキハ24000でした。
前々回の湊線で撮ったキハ205とは、親戚関係と言ったところか。
89.3.25 津軽鉄道 津軽五所川原

しかしその頃はJR全線の完乗を目標としていても、まさか私鉄まで乗り潰す事になるとは思ってもおらず、文学青年を気取っていた私は津鉄沿線にある太宰治の生家「斜陽館」を見学するために途中の金木で下車。以降、そのときに残した金木~津軽中里、わずか7.9キロが今まで未乗のままとなっていたのでした。そこで今回、一気に五所川原から中里までを乗り通してしまうのではなく、まずは23年前同様に金木まで行ってみたいと思います。やはり最後の未乗区間へ入るには、あらためて仕切り直したい。

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津軽五所川原駅は今でも窓口売りの硬券が健在。
まずは金木までのきっぷを購入します。

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時刻表も昔ながらの縦型で、もちろん手書き。
ええ~っと、次の列車は・・・一二時三五分(12:35)か。

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改札は列車が発車する10分前に始まります。
五能線と共用の跨線橋を上がり、
少し狭くなったその先にあるのが津軽鉄道のりば。

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ホームにはすでに列車が停車中。
現在の主力車両は96年製の津軽21形で、
その愛称は「走れメロス号」!
12.10.26 津軽鉄道 津軽五所川原

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ホーム脇にある機関区では、
冬の津鉄名物「ストーブ列車」の牽引に使われる
DD35の姿がありました。
今年も12月1日から運転開始予定。

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さらに中里方には、
以前来たときに活躍していたキハ24000が!
すでに車籍はなく車体もボロボロですが、
私にとっては懐かしい顔との再会です。

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留置車両などを眺めているうちに発車時刻が近づいてきました。
アテンダントさんに迎えられて車内へと入ります。

「走れメロス」のマークを掲げた単行列車は、座席の半分が埋まる程度の客を乗せて、定刻に津軽五所川原を発車。すぐに右カーブで五能線と別れると、まずは進路を東へ。そして二駅目の五農校前付近からは北へと向かいます。その五農校前を出たあたりで「コンニチワ!」と不意に声をかけられ、車窓を眺めていた私が慌てて振り返ると、そこに立っていたのは乗車の際に出迎えてくれたアテンダントさん。最近では車内で沿線案内などをしてくれる、アテンダントを導入する鉄道会社も増え、私も写真を撮らせてもらう際などに声をかけたりするのですが、逆に向こうから声をかけられたのは初めてかも。実は津鉄のアテンダントさんは、なんと乗客全員ひとりひとりに声をかけて車内を回るのです。ちょっと津軽なまりが入った優しい声(これもウリ)で話しかけられると、旅情感が増して嬉しいもの (^^)。そんなアテンダントさんにドコまで行くのかと尋ねられたので、とりあえずは金木と答えると、金木周辺の案内図を手渡してくれました。

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笑顔で車内を回るアテンダントさん。
観光客だけでなく地元の方とも気さくにお話しされます。

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そのアテンダントさんからいただいた、
金木周辺の観光マップ。
もちろん23年前にはこんなサービスはありませんでした。

車窓に岩木山を映しながら、のんびり、ゆっくり走り続ける「走れメロス号」。もしこんなメロスだったら、きっとセリヌンティウスも気が気じゃないでしょうね(処刑されちゃったりして・・・(´∀`;))。12.8キロの距離を20分かけて走り(表定速度は38.4キロ)、列車は金木に到着。

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津鉄沿線の紅葉も所々には見られたけれど、
全体的にはまだまだと言ったところ。
左端の木々に囲まれた小屋は、毘沙門駅。
12.10.26 津軽鉄道 毘沙門付近(車窓から)

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前方に懐かしい腕木式信号機が見えてくると、まもなく金木
(これは帰りに後方の車窓から撮ったものなので、
腕木が水平に上がって(停止)います)。
12.10.26 津軽鉄道 嘉瀬-金木(車窓から)

津軽五所川原1235-(津鉄9列車)-金木1258

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現在では津鉄唯一の交換駅である金木。
ここでは今でもタブレットの交換が見られるのですが、
列車の並びなんぞを撮っていたらタブレットを
撮り逃しちゃいました・・・(>_<;;)。
12.10.26 津軽鉄道 金木

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ちなみにこちらが23年前に撮った金木での交換シーン。
左の方にはチラッと板張りの駅舎が見えています。
89.3.25 津軽鉄道 金木

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今ではこんな立派になっていた金木の駅舎。
構内には売店や食堂が併設されています。
12.10.26 津軽鉄道 金木

さて、未乗区間へはあらためて仕切り直したい・・・ということで、途中下車した金木ですが、次の列車までは一時間半もの時間があります。その間をずっと駅で待っているのもアホらしいし、せっかく金木で降りたのならば、やはりここへは行っておくべきでしょう。駅から徒歩7分程度のところにある太宰治の生家「斜陽館」。

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明治40年に建てられた立派な佇まいの「斜陽館」。
太宰は自身の作中にこの家の事を
「頑丈なつくりの家ではあるが、何の趣きも無い・・・」
と書いていますが、
私の目からすると、風情ある美しい家だと思います。

とはいうものの、今にしてみれば、私は特に太宰が好きってほどではなく(アノ頃の自称・文学青年はドコへ行った・・・?)、斜陽館は23年前に一度訪れているので見学はもうじゅうぶん。ではなぜ今回もやってきたのか・・・実はここで食事をするつもりでした。前に来た時、たしか中で蕎麦だかうどんだかを食べた覚えがあるのです。想い出の味と言うには記憶が霞んでいるけれど、23年ぶりに同じところで食べるのも面白い。ところが入場料(¥500)を払って中へ入ってみるも、現在の斜陽館は完全なミュージアム(展示施設)となっていて、飲食するスペースはありませんでした。後から調べたところによると、以前に訪れた頃の斜陽館は民間が経営していた旅館で、そこには軽い食事ができる喫茶スペースがあったとの事。しかし経営悪化により旅館は廃業。その後、斜陽館は金木町(当時・現 五所川原市)が運営する太宰治記念館へと改装されたらしい。結局、今回の食事は斜陽館の真向かいにある物産館の食堂でとることになりました。

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この日のお昼は
地元の名物を盛り合わせたという「金木めし定食」。
内容は、わかおいこんぶ(昆布を巻いたオニギリ)と、
帆立貝焼みそ、山菜、けの汁。

斜陽館を見学し、食事を終えても、次の列車まではまだ30分以上も時間がありました。そこで、さきほど車内でもらった観光マップを見てみると、斜陽館からは金木だけではなく下り方隣駅の芦野公園へも歩ける距離だと書かれています(徒歩20分ほど)。しかも芦野公園の駅舎には喫茶店が併設されているとの事。ならばここまで歩いちゃって、コーヒーでも飲んでから次の列車に乗るか・・・と、芦野公園へ向かって歩きはじめました。・・・ん?でも待てよ σ(・_・;)、ここで芦野公園まで歩いちゃったら、金木と芦野公園の間は列車で通った事にはならず、未乗のまま残ることに・・・Σ(゚д゚;) ハッ!!。中里からの帰りには同区間を通るので、いずれにせよ最終的には津鉄全線を乗り潰す事はできるのですが、そうすると最後に通るのは上りの芦野公園~金木となり、完乗駅は金木になってしまいます。これが最後の一線でなければそれでも構わないのですが、今回ばかりはやはり未踏の地である終端の津軽中里で締めたい・・・。もう金木よりも芦野公園の方が近いってところまで歩いて来たにもかかわらず、来た道を金木へ向かってUターン。一体何をやっているんだか・・・(;´д`)。でもそのおかげで時間は潰れ、金木へ戻る頃にはちょうど良い頃合に。最後の区間となる金木から津軽中里までのきっぷを買って改札を抜けると、程なくして津軽中里行きの列車が入ってきました(前回の「ONE-shot」は、このとき撮ったもの)。

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私の完乗へ向けた最後の列車は、津軽21-103。
眩しい西日が顔を照らします。
12.10.26 津軽鉄道 金木

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もちろんこの列車にもアテンダントさんが乗務します。
終点までよろしくおねがいしま~す(^^)

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津軽中里行きの車内。
乗客は私を含めて四人ほど・・・。

さあ、いよいよ私にとっては最後となる未乗区間へ足を踏み入れます。しかし交換待ちをしている列車はすぐには動き出しません。そこへいつものようにアテンダントさんがご挨拶に来てくれました「こんにちわ、今日はいいお天気ですね~。さっきそのカメラで列車を撮っていましたよね。車内から見ていましたよ~(^^)」と、乗客が少ない事もあり、心無しか少し長めにお相手してくれる今回のアテンダントさん。そして「どこまでいかれるんですか?」の問いについ、この列車で津軽中里まで行くと全線完乗になる旨を話してしまいました。すると、「すごーい!全部乗ったんですか? 新幹線も? 五能線も? 青い森鉄道も!?」 なんて、いちおう驚いてくれたので(・・・出てくる路線名が、みんな青森県内の身近なところっていうのがちょっと引っかかるけれど ^^; )、嬉しいやら、恥ずかしいやら・・・。さらに「最後に津鉄を選んでくれてありがとうございます。でも他に比べて、なーんも無い線ですよぉ」とも。そんなアテンダントさんと話しているうちに気がつけば列車は発車しており、すでに未乗区間へと入っていたのでした。「じゃあ、もうお邪魔はしませんから、終点までごゆっくり・・・」と言い残して、アテンダントさんは次のお客さんの元へ。いっぽう私は席には座らず、運転席横で前方をかぶりつく事にします。座っていてもなんだか落ち着かなくって・・・。

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金木の次駅は歩こうとした芦野公園駅。
ここは春の桜が有名な駅で、
満開期はまさに桜のトンネルになるのだという。
最近では吉永小百合さんを起用したポスターの舞台として
覚えのある方も多いはず。
終点まであと四つ・・・。
12.10.26 津軽鉄道 芦野公園付近(車窓から)

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次の川倉は田んぼの真ん中に立つような小さな駅。
まわりに何も無いような駅ですが、
このあたりは地面に積もった雪が強風で舞い上がる
津軽名物の「地吹雪」がすごくて、
「地吹雪体験ツアー」なども行われているらしい。
終点まであと三つ・・・。
12.10.26 津軽鉄道 川倉付近(車窓から)

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川倉から大沢内にかけての広大な田園地帯では、
車窓から岩木山がキレイに見えました。
奥羽線や五能線の車窓からとは、また違った景色です。
12.10.26 津軽鉄道 川倉-大沢内(車窓から)

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大沢内はかつて交換設備があった駅で
その頃は有人駅だったそうな。
現在の津鉄は五所川原、金木、津軽中里のみが有人駅
(津軽中里は委託)。
終点まであと二つ・・・。
12.10.26 津軽鉄道 大沢内付近(車窓から)

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そして次の駅は「ふこうだ」。
不幸だ・・・ではなく「深郷田」と書きます。
なかなか面白い「珍駅名」ですね。(^^)
終点まであと・・・一つ!
12.10.26 津軽鉄道 深郷田(車窓から)

前方から撮った駅への進入を見ても解るように、途中から乗ってくる客は無く、また降りる客もいない。乗客は入れ替わる事無く四人のまま、最後の中間駅である深郷田(ふこうだ)を発車。車内には次が終点の津軽中里である事を知らせるアナウンスが流れます。力行で唸りをあげていたエンジンが静かになり、あとは惰性で走るのみ。カーブを横切ると、まもなく前方には津軽中里のホームが・・・さらにその先には行き止まりを表す、無粋なコンクリートの高い壁が見えてきました。やがて惰性で走っていた列車には、運転士の手によりブレーキがかかりはじめます。

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しばらくのどかな田園風景が続いていた車窓でしたが、
終着が近づくに連れ、集落の家々が見えてくるようになりました。
新しい家が立ち並んでいるのは、ちょっと意外(公営住宅らしい)。
12.10.26 津軽鉄道 深郷田-津軽中里(車窓から)

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津軽中里のホームへ、ゆっくりと進入・・・(゚∀゚*)ドキドキ
まもなく、私の乗り潰し旅が終わります。
12.10.26 津軽鉄道 津軽中里付近(車窓から)

列車は静かに、そして確実に津軽中里のホームへと停車。運転席脇の降車口が開かれます。ここで、前を眺めていた私は当然一番先に降りる事となり、思い切ってポンっと車内からホームへひとまたぎ。この瞬間、現在旅客営業されている普通鉄道路線は鋼索線(ケーブルカー)を除き、すべて完乗です! \(^O^)/バンザーイ♪

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終点の津軽中里に到着~!
金木からわずか7.9キロ、17分の道のりでしたが、
とても長く感じた乗車時間でした。
12.10.26 津軽鉄道 津軽中里

金木1440-(103列車)-津軽中里1457

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ここが津軽鉄道の終端部。
建設当初は津軽半島北部の小泊まで
行く計画があったとのことですが、
途中で資金が底をついて、挫折したらしい・・・。

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津軽中里の駅舎。
地元スーパーに併設されたような形で
ちょっと趣きに欠けますが、
ここは「民鉄最北端」の駅です。


終端部や駅舎を写真に撮っていると、そこへ先ほどのアテンダントさんが出てきて、こちらへと近づいてきます(上写真の右端にお姿が・・・^^)。何か忘れ物でもしたかな・・・?と思いきや、「よかったらこれをどうぞ 」と一枚のカードを手渡してくれました。それはこの日の日付が入った「(民鉄)最北端証明書」。なんと、わざわざそれを手渡しに来てくれたのです!これには本当に嬉しくて大感激・・・゚+。*・。゚(゚ノ∀`゚)゚。・*。+゚。車内でお話ししたときに、彼女は「なーんも無い線ですよ」などと言っていましたが、ここには他の鉄道路線以上の人の温かさと優しさが感じられ、最後の一線がこの津軽鉄道であった事をあらためて嬉しく思いました(カードをもらったからではなく、本当にどの方も笑顔で、親切でした)。と、同時に今までずっと乗らずに放置していた事も後悔。今度はぜひ「ストーブ列車」などの乗り鉄、撮り鉄で、近いうちに必ず再訪する事を心に決めました。

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アテンダントさんからいただいた「最北端証明書」のカード。
手前は降車の際に記念にもらった金木からの乗車券と、
津軽中里で買った硬券入場券です。
どちらも日付や駅名が入っていて、とてもいい記念になりました。

津軽中里からは乗ってきた列車の折り返しへそのまま乗り、五所川原に戻ります。もちろんこの列車のアテンダントさんも先ほどの方で、「乗り終えて、今は感無量ですか? 今夜はケーキを食べないとね~☆」と、お茶目なひと言。でも実際のところ、感無量かと言われると・・・案外そうでもなかった。まだ実感が沸かないとかそういうものでもない。やはり最後の一線に乗るまで間を空けすぎてしまったせいか、ひと頃よりも完乗熱が冷めてしまったのかも知れません。乗り終えた正直な感想は「ま、こんなもんか」といったところ。ホント、曖昧な感想でスミマセン。m(_ _)m

津軽中里1520-(104列車)-津軽五所川原1605

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五所川原で五能線の弘前行きへ乗り換え。
右奥には中里から乗ってきた津鉄の姿が見えます。
12.10.26 五能線 五所川原

さて、今宵の宿は弘前に取ってあります。五能線の下り列車(川部方面)は、ほとんどが奥羽線へ直通する弘前行きなので、五所川原からは乗り換え無しで行く事ができて好都合。しかし私は朝と同様に五能線と奥羽線の接続駅である川部で下車してしまいました。それはなぜかというと、実はこの日の奥羽線には24系客車(ブルートレイン)を使用した団体臨時列車が設定されているのです。しかも私が五所川原から乗ってきた弘前行き(831D)のわずか5分続行と言うスジ。5分では沿線の撮影地へは行けませんが、川部のホームでなら撮ることができそうです。しかし時刻は午後5時近くで、すでに日没。かろうじて明るさが残るものの、かなり厳しい状況。

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青森区の138号機に牽引されたブルトレ団臨。
この列車はこれから、はるばる大阪まで走ります。
12.10.26 奥羽本線 川部

川部の下り方は単線だった事もあって、ゆっくりとした速度で通過したブルトレ団臨。ズームリングを回しながらなんとか写し止めることができました。パンタが思いっきり串刺しだけれど、オマケのような撮影だったので、撮れただけでもヨシとしましょう。ブルトレ団臨の後を追うように次の普通列車で弘前へ向かい、津軽鉄道で全線完乗を果した、忘れられない一日が終わりました。

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夕暮れに浮かび上がる、岩木山のシルエット。
この日は一日中「乗り鉄」でしたが、ずっといいお天気に恵まれました。
撮り鉄メインとなる、翌日も晴れるといいけれど・・・。
12.10.26 奥羽本線 川部-撫牛子(車窓から)

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とっぷりと日が暮れた頃、弘前に到着。
金木や中里から来ると、弘前が大都市に見えます(^^;)
12.10.26 奥羽本線 弘前

五所川原1611-(五能831D)-川部1645~1708-(奥羽668M)-弘前1716


 

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アテンダントさんは「ケーキでお祝い」と言っていたけれど、
やっぱり私はお酒で祝杯~ ロ\(゜▽゜*)♪ カンパーイ!
旬の秋刀魚で、弘前の酒・豊盃「ん」をいただきます。
少し辛口でスッキリした味わいは刺身に合います。


・・・続きます。



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ONE-shot 100 最後の一線。 [PICK UP ONE-shot]

PICK UP ONE-shot 100 最後の一線。
 
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長年の夢だった国鉄・JRの全線完乗を果したのは
今から14年前になる98年12月の事。
最後の一線は青森の八戸線で、
記念すべき完乗日を自分の誕生日に設定したものです。
   
その後、完乗の目標は私鉄へと移行。
大都市近郊の大手私鉄、地方のローカル私鉄、
地下鉄、新交通、モノレール、路面電車に至るまで、
鋼索線(ケーブルカー)を除く全路線をこつこつと乗り潰し、
ついに04年の5月、万葉線の越ノ潟駅へ降り立った時点で、
残るは青森の津軽鉄道ただ一線となりました。
しかも未乗なのは、金木~津軽中里のわずか7.9キロだけ。
  
しかし、女々しいというか、往生際が悪いというか、
この最後の一線がもったいなくなってしまい、
今までどうしても乗れずにいたのです。
のちに新規開業や延伸した路線は真っ先に乗り潰し、
津軽鉄道はずっととっておいたまま・・・。
いつかは乗り潰そうとは思うものの、
なんだか踏ん切りがつかない。
もう誕生日がめでたいなんてトシでもないですし。
 
でも、まあ慌てる必要は無く、そのうちに・・・
なんて悠長な事を考えていたのですが、
その考えを改めさせられたのが昨年の大震災。
大切なものが一瞬にして失われてゆく様を目の当たりにしました。
ここでは津軽鉄道が地震などで・・・という
縁起でもないことを言うつもりは毛頭無く、
むしろ自分自身がこの先どうなるか解らない。
そう考えると、やはり完乗だけは果しておくべきかと
思うようになりました。
   
そんななか、手前味噌ながら巡ってきたのが
弊ブログの一枚写真コーナー「ONE-shot」の#100。
ぶっちゃけ、「ONE-shot」の番号にあまり意味はなく、
初めの頃に何となく勢いで付けちゃっただけ。
それでも何かのキッカケを求めていた私にとってはいいタイミングで、
思い切って乗ってしまう決意が固まりました。
そこで週末は青森へ・・・。
  
  
そんな記念すべき、100記事目の「ONE-shot」。
はじめは終着駅の津軽中里に到着した列車か、
駅舎の外観にしようかと考えていたのですが、
実は完乗することに対していちばん気分が高まったのは、
最後となるこの列車が岩木山をバックに
金木駅へ入って来た時でした。
ああ、コレが最後の未乗区間を走ってくれる列車なのだ
・・・と。
  
停車して扉が開いた津軽中里ゆきへ、
私は一瞬ためらいながら、ゆっくりと乗り込みました。
    
12.10.26 津軽鉄道 金木


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ひたちなか海浜鉄道・・・キハ205撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2012.10.20
ひたちなか海浜鉄道
湊線 キハ205 撮影
  

紅葉にはちょっと早いものの、すっかり秋本番。「天高く馬肥ゆる秋」の言葉通り、澄み切った青空がとても高く感じられるようになってきました。こうなると、上空に架線やケーブルなどの障害物がなくて思いっきり空を見上げることができる、非電化路線を訪れたくなるのは私だけでしょうか? 関東近郊の非電化路線といえば今いちばんアツいのは、久留里線や小湊鉄道、いすみ鉄道などが集中する千葉の房総半島だと思いますが、房総は先月にいすみ鉄道を訪れたばかり。そこで今回の旅は、そのいすみ鉄道を訪れる際に行き先候補として天秤にかけたもうひとつの非電化路線、茨城のひたちなか海浜鉄道・湊線をたずねてみることにしました。

   

10月20日(土)

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E531系の常磐線・勝田行き「普通列車」。
常磐快速線を走る快速電車(E231系)と普通列車(E531系)は近年、
地下鉄千代田線へと直通する緩行線と区別するため、
種別を「快速(特快)」に統一しましたが、
私は今でも青帯の中距離列車を「普通」と呼んでしまいます。
常磐線 土浦

まずは常磐線の普通(快速)列車に乗り込み、水戸の先にある勝田を目指します。行き方は異なるものの、前週の笠間に続いて二週連続の茨城。実は本来なら笠間のギャラリー「かしゃま」を訪れた後に、湊線へと向かう計画を立てていたのですが、私が笠間を出る頃から天気が崩れて雨が降り出したため、この日は結局ひたちなかへは寄らずにそのまま東京へと帰ってしまいました。翌週にあらためて同方面へ出直すのが果たして賢明なのかどうか深くは考えないことにしますが、とりあえず今週は天気が崩れることは無さそうです。常磐線は眩しい朝日を浴びながら北上し、上野から二時間かけて、湊線の始発駅・勝田に到着。

上野0732-(常磐1333M)-勝田0951

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常磐線の車両基地(勝田車両センター)がある勝田。
ホームからも留置してある485系(K60)やE653系などを
眺める事ができました。
常磐線 勝田


ひたちなか海浜鉄道・湊線は、ここ勝田から漁港や市場のある那珂湊を経て、海水浴場で有名な阿字ケ浦までを結ぶ全長14.3キロの短いローカル私鉄で、全線非電化単線。近年の市町村合併により、その全線・全駅が茨城県ひたちなか市内にあるというちょっと珍しい路線です。オールドファンには「茨城交通・湊線」と呼んだ方が馴染み深いところでしょうが、茨城交通は赤字で採算の取れない鉄道事業(湊線)からの撤退・廃線を示唆。その廃線危機を救うべく08年に新たに誕生したのが、ひたちなか市と茨城交通が折半で出資する第三セクター方式の鉄道、「ひたちなか海浜鉄道」なのです。新会社への移行後は地元の支援やボランティアなどの協力もあって、徐々に活気を取り戻した湊線。しかし、一昨年に発生した東日本大震災で湊線は更なる試練を与えられる事になってしまいます。地震で路盤は崩壊し、レールは湾曲。ホームやトンネルなどにも亀裂や陥没箇所があり、復旧費用は概算で約三億円・・・。第三セクターのローカル線にはとてつもない負担額で、今度こそ廃線になってもおかしくない状況に追い込まれてしまいました。それでも地域の足として重責を担うひたちなか海浜鉄道は、諦めずに復旧を決意。震災からわずか4ヶ月あまりで、湊線の全線復旧を果したのです。この運転再開は沿線だけでなく、他の被災地域にも大きな勇気を与えたことでしょう。(*゚▽゚ノノ゙☆パチパチパチパチ

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勝田駅のいちばん東側に位置する
1番線がひたちなか海浜鉄道のホーム。
中間改札を抜けたその先には
すでにお目当ての車両が停車中~(^^)
ひたちなか海浜鉄道湊線 勝田

そんな湊線を応援すべく、復旧後はすぐにでも駆けつけよう・・・などと思いながらもズルズルと時は流れ、気がつけば復旧から一年以上も経ってしまいました m(._.*)m スンマセン 。 湊線を訪れるのは、新会社への移行直後に乗り直し目的で全線を往復して以来4年ぶりのこと。できればもっと早く来たかったところなのですが、なかなかお目当ての車両が運転される日と自分の都合が合わなかったのです。そのお目当てというのが、旧・国鉄キハ20のキハ205をはじめとした旧型のキハ(気動車・ディーゼルカー)たち。旧型のキハは現在4両が現役で在籍しており、鉄の間では湊線の名物ともいうべき存在なのですが、実はいつでも走っているものではなく、通常の湊線は新型の軽快気動車(いわゆるレールバス・タイプ)キハ3710・37100が主流。旧型を確実に捕まえるには、事前にひたちなか海浜鉄道のHPにある「週末列車」コーナーで運用のチェックが必須です。それによると今週末(10/20・21)は、20日の土曜がキハ205、21日の日曜はなんとキハ2004+2005の二連が運用に就くと書かれています(各日、二運用あるうちの一運用。もう一運用はキハ3710・37100で運転)。旧型が土日とも動くのは案外珍しい事で、しかも日曜は二連! ここでフツーならば一粒で二度オイシイ(古っっっ;)日曜の二連を狙いたいところなのですが、当然同業者も同じ考えのはず。ならばむしろそれを逆手に取り、あえて土曜のキハ205単行の方が空いていてのんびり撮れるのではなかろうか・・・と考えました。それに準急色のキハ2004は以前に撮った事があって(急行色の2005は無いけれど)、個人的にはキハ20系統にいちばん似合うと思っている国鉄標準色のキハ205の方が撮りたい。そこで今回はキハ205が動く、20日の土曜を選んでやってきました。だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、それでは湊線に乗車して撮影へと向かいましょう。

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国鉄標準色(風)に塗られた元・国鉄キハ20の現・キハ205。
1965年製で、国鉄・JR西日本から水島臨海鉄道を経て、
96年に湊線へとやってきました。
キハ205は実際の国鉄色よりも若干淡い色なのですが、
懐かしい雰囲気はじゅうぶんに味わう事ができます。
ひたちなか海浜鉄道湊線 勝田

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車内は中央にボックス、車端部にロングが併設された
セミクロス仕様。ボックス席は幅が少し小さめです。
日中は空いているイメージがあった湊線ですが、
この日は勝田発車時点でこの状況。
お天気がいいから?それとも何かあるのか・・・?

1031.jpg

勝田を出た湊線の列車は常磐線に別れを告げて左へカーブ。
かつては海水浴シーズンに上野や小山から阿字ケ浦へ
直通の急行(快速)が運転されていた事もありました。
その列車は手前の分岐器を渡っていたのでしょうね。
ひたちなか海浜鉄道湊線 勝田-日工前(車窓から)

予想外と言っては失礼ですが、車内は座席が埋まり、立ち客がでるほどの盛況ぶり。経営の苦しいローカル私鉄に大勢の乗客がいるのは喜ばしい事だけれど、海水浴シーズンを過ぎた時期にこの多さは意外(最近は海水浴もクルマ派が主流で、ピーク時でもあまり混まないらしいケド・・・)。しかも一見して地元民ではなく観光客で、よく見るとボックスシートの対面に座った方の手には「ひたちなか海浜公園」のパンフレットが握られています。実は後から知ったのですが、今の時期は海浜公園に咲くコキア(ほうき草)の紅葉が見頃を迎え、テレビなどで大きく取り上げられていたとの事。そういや一日乗車券を買うときに「海浜公園の入場券とセットの方(¥1000)ですか?」と窓口氏に聞かれましたっけ。もちろん私はフツーの一日券(¥800)を購入。

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湊線のもうひとつの名物がこの面白い駅名板。
各駅にちなんだイラストを施した文字絵になっているのです。
電動工具メーカーの工場がある日工前はドリルやチェーンソーが、
陸上自衛隊の駐屯地がある金上には飛行機と戦車が描かれています。
ひたちなか海浜鉄道湊線 日工前/金上(車窓から)

海浜公園の最寄り駅は終点の阿字ケ浦(からシャトルバス)なので、途中駅ではほとんど乗客の乗り降りはなく、淡々と先へ進む湊線の列車。勝田からしばらくは県道に沿って住宅街のなかを走っていましたが、二つ目の金上を過ぎるとパッと車窓は一変して、広大な田園風景が広がるようになります。この田園地帯での撮影を考えていた私は次駅の中根で下車。もちろんここで降りたのは私一人でした。

1008.jpg

金上を出てしばらくすると、列車は広大な田園地帯へ。
線路は東へ向けてまっすぐと伸びています。
ひたちなか海浜鉄道湊線 金上-中根(車窓から)

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「乗ったら(走行写真が)撮れない」は徒歩鉄最大のジレンマ。
まずは乗ってきたキハ205を見送り、
50分後に折り返してくる上り列車を狙うことに。
ひたちなか海浜鉄道湊線 中根

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列車が去ると、誰もいない駅には静寂が訪れます。
中根の駅名板(タイトル写真)は駅近くにある史跡、
虎塚古墳にちなんたもの(矛と前方後円墳)。
ひたちなか海浜鉄道湊線 中根

勝田1005-(湊線121)-中根1014

この金上と中根の間にある田園地帯は湊線屈指の撮影ポイントで、旧型キハが何両も連なるようなイベント列車が走る時などは大勢の同業者で賑わいます。しかしこの日は辺りを見渡しても誰もイナイ・・・やはり翌日に控えた二連運転の方に注目が集まっているのでしょうか。ちょっと寂しい気もするこれど、これは目論見通りで好都合。ふだんはあまり撮れないようなアングルで、先ほどのキハ205が折り返してくるのを待ちます。

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雲ひとつない、まさに抜けるような青空のもと、
ツートンカラーのキハ205が力強く駆け抜けてゆきます!
う~ん、秋晴れ最高!O(≧▽≦)O
ひたちなか海浜鉄道湊線 金上-中根(後追い)

線路端に寝そべるようにして広角を使い、ローアングルで思いっきり空を見上げてみました(もちろん踏切脇の敷地外です)。ここまで線路に近づいちゃうと他に同業者がいる場合、「そこ!アングルに入っちゃうよ!(#`0´)/ 」なんて怒られかねません (先に構えたもの勝ちって考え方もあるけれど、私は極力トラブルを避けたい派なので・・・^^;)。その点この日の同業者は、キハ205の通過間際に来てサイドから狙っていた方のみだったので、気兼ねなく線路端から迫力ある画を撮ることができました。実はこのカット、光線状態重視で後追いを撮ったものなのですが、正向きで撮ってもこの角度だと運転士の姿は見えないので、無問題(湊線は日中、ほとんど前照灯を点けないしね)。むしろ技術的には、向かってくる列車よりも直前まで姿が見えない後追いをこの位置で止める方が難しく、神経を研ぎすまして一撃必撮! なんとか狙った位置で止める事ができて、満足満足 (^^)。冒頭に書いた非電化路線らしい空を大きく入れたカットは、はやくも一本目で達成です。では次はどうやって撮ろうか・・・と考えながら近辺をふらふらしていると、目に留まったのは線路端に咲く黄色い花。

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黄色い花をかすめて走るのは、軽快気動車のキハ37100。
ちなみに形式の3710は「ミナト」の語呂合わせです(^^;)
ひたちなか海浜鉄道湊線 金上-中根

線路に沿って群生していたのは、秋に黄色い花を咲かせる「セイタカアワダチソウ」。他の植物の生態系を崩しかねない外来種であり、さらに花粉症の原因などと言われる事からか、同じ黄色い花でも春に咲く菜の花と違って、あまり好かれる花ではありません(実際は花の形が似ている「ブタクサ」と勘違いされていて、アワダチソウは花粉症にならないともいわれていますが・・・)。いちおう試しに花を入れてキハ37100を撮ってみたものの、やはりモロにアワダチソウってことが解るようなカットは、花粉症の原因ではないと解ってもつい鼻がムズムズっとしてしまいます。そもそもアワダチソウは直立した太い茎と花の形自体があまり美しくないんだよね・・・。ならば茎をカットして、花の形をボカしてしまったらどうだろうか? ・・・というわけで、二本目のキハ205はこんなアングルで撮ってみました。

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黄色い「菜の花ロード」ならぬ、
「セイタカアワダチロード」を突き進むキハ205。
ひたちなか海浜鉄道湊線 金上-中根

晴天に映える黄色い花とツートンのコラボ。ここまで花をボカしてしまえば、菜の花に見えなくもないかも!? (´Д`;)ミエネーヨ・・・。意外と悪くないカットが撮れましたが、やっぱりもうアワダチソウとの絡みはいいや・・・。次のキハ205は阿字ケ浦からの折り返しで、また50分待ち。その頃にはもう列車の顔に日が当たらなくなっていると思われるので、今度はサイド寄りから狙ってみる事にします。ここは広い田園地帯ですから、ちょっと線路から離れるだけでサイドもスッキリと撮ることができ、撮影ポイントはすぐに決定。キハ205の通過まではまだかなり時間があるけれど、その前に先ほどのキハ37100がやってきます。本命ではないこの列車、でもせっかく来るのならシャッターを切らなきゃもったいない。そこでちょっとお遊びのつもりで、シャッタースピードを低速に落としてカメラを振ってみる事に。

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キハ37100-03はひたちなか海浜鉄道二周年を記念した
「アニマルトレイン」。
サイドには動物のイラストが描かれています。
ひたちなか海浜鉄道湊線 金上-中根

サイドからの流し撮り。低速シャッターといっても、ここまでピーカンだと最小に絞ったところでシャッターは1/15sec程度にしか落ちず(f22・ISO50)、さらに列車の速度もそれほど出ていないことからあまり背景は流れません。でもちょっとは列車に躍動感が出て、、フツーに撮るよりは面白いかも・・・。当初、本命のキハ205は振らずにピシッと構えて撮るつもりでしたが、このキハ37100の画を見て考えが変わりました。キハ205の方も流しにトライ。

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のどかな田園地帯を颯爽と走る国鉄色キハ20の姿は、
まさに国鉄時代を彷彿とさせる情景。
これが2012年に見られるのですから、本当にありがたい事です。

シャッター速度を半段ほど早めたこともあって、こちらも写し止めることはできました。でも・・・なんだか先ほどのキハ37100ほどの面白さを感じない。車両を画面の真ん中に持ってくる「日の丸構図」は避けよう・・・とか、せっかくならあぜ道の踏切を入れた方が絵に変化が出るか・・・とか、いろいろと考えすぎてしまって、それがむしろ裏目に出てしまったような気がします。そして何よりも、今回はばかりは車両自体の面白さがキハ37100にあったということ。あのゆる~いアニマルキャラが絵の楽しさを演出してくれたんですよね。シブいキハ205はスピード感のある流し撮りよりも、どしっと構えて撮った方が絵になるのかも知れません。再び折り返してくる下り列車は、そのまま引き画で撮影。もちろん今度は流しません。

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金上からの築堤を駆け下りてくるキハ205。
実はこの築堤が震災でもっとも大きな被害を受けたところで、
路盤が崩れて線路は宙づり状態となってしまいました。
再びこうやって列車が走れるようになったのも、
関係者の多大な尽力あっての事。
まさにひたちなか海浜鉄道は全力で湊線を守り抜いたのです。
ひたちなか海浜鉄道湊線 金上-中根

手前に田園が広がり、遠くに勝田の街を臨めるこの場所はいかにも湊線らしくて、撮りたかったポイントのひとつ。やはり顔に日は当たらなくなっていましたが、のんびりとした雰囲気の一枚を撮ることができました。これで撮影を終了して中根駅へと戻ります。三時間の滞在で二往復・四本のキハ205、もうじゅうぶんに満足です。

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中根駅へ戻る道すがら、
そろそろキハ37100が戻ってくる時間だな・・・と、
歩きながら片手間にカメラを構えると、
なんとキハ3710を二両も増結した三連で現れました。w(゚ロ゚)wワオ!
前二両は団体専用のようです。
ひたちなか海浜鉄道湊線 中根-金上

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最後部は先ほどのキハ37100「アニマルトレイン」。
キハ3710とキハ37100はほぼ同一構造ながら
ブレーキの二重化など一部仕様が異なるらしい。
ひたちなか海浜鉄道湊線 金上-中根(後追い)

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中根駅のホームで食べるお昼ゴハンは、
行きしなに水戸駅で買ってきた「常陸牛の牛べん(¥1000)」。
常陸牛のすき煮がびっしり敷き詰められてボリューム満点!
添えられた高野豆腐のゆば巻きと煮玉子も美味しかったです。
☆☆☆☆・

午後は常磐線沿線の柏にある実家へ用事があったので、ちょっと早めの撤収。でもせっかくここまで来たのだし、一日乗車券も持っているので、終点の阿字ケ浦まで往復してから帰ることにしました。本当はキハ205で乗り鉄したいところですが、キハ205を見るとどうしても撮る方を優先して乗らずじまいになってしまいそうなので、ここはキハ3710で運転されている列車に乗り込みます。

1020.jpg

中根に入ってきたのは先ほどのキハ3710三連。
でも後部二両は回送締切扱いでした。
ひたちなか海浜鉄道湊線 中根

1021.jpg

中根の次駅は車両基地のある那珂湊。
手前にいる首都圏色は国鉄から鹿島臨海鉄道を経て
湊線へやってきたキハ200ですが、すでに車籍はありません。
その傍らには日本初のステンレス製気動車で、
現在はギャラリーとして再利用されている
ケハ600の車体も見えます。
ひたちなか海浜鉄道湊線 那珂湊(車窓から)

1022.jpg

ホーム脇には翌日の運転が予定されている
準急色キハ2004(手前)+急行色キハ2005が留置。
この両者は元・留萠鉄道の車両です。
右端にチラッと写っている営業運転中のキハ205と、
姿は見えませんでしたが、スカ色に似た旧国鉄標準色
(青+ベージュ)のキハ222(元・羽幌炭礦鉄道)が
湊線旧型キハのラインナップです。
ひたちなか海浜鉄道湊線 那珂湊(車窓から)

午後になって海浜公園へ向かう観光客は一段落したらしく、車内は地元客で座席が半分埋まる程度の乗車率。これがふだんの姿かもしれませんが、日中のローカル線でこのくらいお客さんが乗っていれば、まずは一安心と言ったところか。しかしその大半は沿線随一の町である那珂湊で降りてしまい、その先はガラガラになってしまいました。これから海浜公園へ向かうと思われる二組のカップルとともに乗り続けて阿字ケ浦へ。

1023.jpg

那珂湊から先の車窓はしばらく住宅街が続きます。
意外にも大きく開けているのは先ほどの中根付近か、
この先の平磯~磯崎くらい。
ちなみに路線名は「~海浜鉄道・湊線」ですが、
車窓から海はほとんど見えず、
殿山~平磯の踏切から一瞬見える程度。
ひたちなか海浜鉄道湊線 那珂湊-殿山

1024.jpg

中根から17分、勝田から乗り通しても26分ほどで
湊線の終点、阿字ケ浦着。
以前に来た時よりもホームがきれいになっていました。
ひたちなか海浜鉄道湊線 阿字ケ浦

1026.jpg

阿字ケ浦の駅名板は海産物。
なかでも目を引くのは「字」に使われている、茨城名物のアンコウ。
そろそろアンコウ鍋の美味しい季節ですね~。(^^)

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ホームは改修されても、駅舎は昔のまま。
味のある木造平屋建ての駅舎に手書きの駅名板が掲げられています。
かつては海水浴客で賑わいを見せた駅も、今はひっそり。
ひたちなか海浜鉄道湊線 阿字ケ浦

中根1325-(131)-阿字ケ浦1342

時間的な都合もあって、阿字ケ浦からは乗ってきた列車で折り返す、まさにトンボ帰り。もう少し余裕があれば、那珂湊の「おさかな市場」などにも寄りたかったところです。でも私の場合、余裕があったらあったで市場へは行かずに、ずっとキハ205を撮り続けていたことでしょうね・・・(^^;)。このところ、お召し列車、秩父五重連、カシオペアクルーズと、同業者が多いネタ列車の撮影ばかりが続いていましたが、この日は久しぶりにのんびりと撮ることができた、秋晴れの湊線訪問でした。

1027.jpg

今回使用した「湊線1日フリー切符(800円)」。
勝田~阿字ケ浦は片道570円ですから、
単純に往復するだけで元が取れちゃいます。
我々、鉄ができる最大の支援は「乗る事」ですよね!


阿字ケ浦1355-(134)-勝田1421
勝田1424-(常磐1422M)-柏1605



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ONE-shot 99 回送列車 [PICK UP ONE-shot]

PICK UP ONE-shot 99 回送列車
 
1115.jpg
この土日、関東は秋晴れが広がる絶好の「撮り鉄」日和。
私も土曜日にちょっと遠出をし(といっても、関東近郊)、
日曜日は近場の中央線で115系スカ色編成による
「なつかしの 115系 急行かいじ号」を撮影してきました。
そこで順序は逆になりますが、
ネタ的に旬な「115系 かいじ」の方を
先にご紹介したいと思います。
前回に続き、連続の「One-shot」ネタですが、
今回は本当にこの一枚くらいしか収穫が無かったのです。
と、いうのも・・・
   
中央線の新宿甲府間で運転された「115系 かいじ」。
高尾以西の山線には先々週のお召し列車撮影で訪れたばかりなので、
今回はふだんの定期列車では115系が入線しない
新宿から立川までの間で撮影を考えていました。
まずは豊田電車区から始発駅の新宿へと送り込まれる回送列車から。
でもこの列車をただの回送と侮る事なかれ。
東西に伸びる中央線にとって、朝に東へ向けて走るこの列車は、
もっとも光線状態が良くなります。
表示幕の「回送」表示はちょっと残念だけれど、
バリバリの順光でヘッドマーク付きの115系を
しっかりとモノにする事ができました
(ゆるキャラさん、お膝元にお邪魔しました ^^)。
    
続いて「急行」表示が期待される本運転は、
高架の複々線区間を行く姿を狙おうと、急いで杉並区にある某駅へ。
駅の先端はすでに先客の同業者で一杯でしたが、
少し引いた位置から長めのレンズで抜けばウマく撮れそう。
顔には光が当たらないものの、半逆光で決して悪くない感じです。
しかし・・・ハイ、大方の予想通り、
見事に緩行線にカブられました(TT)トホホ
(緩行ホームから撮る時点で、覚悟はしていたんですけれどね・・・)
    
そんなワケで、今回の収穫はこの回送列車のみ。
いくら光線状態がよくても表示が「回送」では、
「急行かいじ」の魅力も半減・・・かな? (^^;)
        
12.10.21 中央本線 西国分寺-国分寺


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ONE-shot 98 Special Train [PICK UP ONE-shot]

PICK UP ONE-shot 98 Special Train
 
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日曜日は日本の鉄道が開業してから140年目を迎えた「鉄道の日」。

今年も各地で様々なイベントが行われるなかで私が選んだのは、

東日本を一周した「カシオペア・クルーズ」号の撮影でした。

しかし、牽引機に「虹ガマ」ことEF81 95が抜擢された

この列車の人気は凄まじく、

ネット掲示板によると、すでに通過二時間前の段階で、

ワシクリ(東鷲宮~栗橋) 50人! (; ロ゚)  エェ!!

ヒガハス(東大宮~蓮田)100人!!(; ) ナヌ!!

との情報が。

いくらなんでも、そんなおおげさな・・・なんて思いながら、

ヒガハスを車窓から見てみると、本当に現地は三脚の林状態。

その光景を見た私は、もう戦意を喪失・・・。

でも、こうなると残された撮影ポイントは

編成が抜けるけれど逆光か、

編成の抜けは悪いけれど順光のどちらか。

しばし考えた末に、私は後者の撮影地へと向かいました。

やはり晴天順光でこそ際立つのが、95の「チェリーレッド」です。

 

客車が4~5両しか入らないここは

決してベストなポイントとはいえないけれど、

この日は太陽が味方をしてくれて、良好な光線状態のなか 

じゅうぶんに「スペシャル編成」の魅力を感じる事ができました。(^^)V

 

12.10.14 東北本線 新白岡-白岡

 

 

☆オマケ★

「カシオペア・クルーズ」の撮影後、

宇都宮線と水戸線を乗り継いでやってきたのはコチラ。

放置貨車・・・ではありません、れっきとしたギャラリーです。


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 現在、この茨城県笠間市にある「かしゃま文化会館」では
sonicさんの個展が開かれております。
残念ながらsonicさんにお会いする事はできませんでしたが、
かつての車掌車「ヨ」を再利用したギャラリー・カフェのなかで、
すばらしい絵画や焼き物の作品を眺めながら、美味しいゴハンをいただく・・・
たまにはこんなのんびりとした「鉄道の日」の過ごし方もアリかな?
  
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作品が展示されている車内を勝手に撮るわけにはいかないので、
ここでは「かしゃま」のゴハンメニュー「駅弁(¥800)」をご紹介。
体に優しくて、ホッとするような「幕の内弁当」でした
(本当はこれにあたたかい味噌汁も付くのですが、
運ばれてくる前におかずを食べはじめちゃった・・・^^;)。


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秩父鉄道・・・デキ五重連!「ELパレオエクスプレス」 撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2012.10.07
秩父鉄道
迫力のデキ五重連!!!!!
「ELパレオエクスプレス」 撮影
  

東京都心からいちばん近いところを走る蒸気機関車として人気の、秩父鉄道「SLパレオエクスプレス」。しかしその主役であるSLことC58 363が8月におこした工場内での脱線により車体を損傷。復帰には少なくとも半年もの時間を要する事となってしまいました(詳細は「SLパレオエクスプレス運行中止について」のリリースを参照 *PDF注意)。そこで当面の「パレオ」は、SLの代替としてEL(電気機関車)のデキが牽引。ふだんは貨物列車を牽引しているデキが客車の「パレオ」を牽くのは珍しい事ではあるけれど、SLを期待してくる家族連れなどからしてみればデキなど面白味が無く、やはりSLの変わりとしては役不足。そもそもデキ牽引の「パレオ」はSLが検査に入った昨年にも運転されていて(列車名は「ELみつみね・ELちちぶ」)、今年は鉄の動き出しも鈍い。これから秋の行楽シーズンを迎え、書き入れ時を迎えるはずなのに・・・と、SL不在に焦った秩父鉄道。ならばデキを重連にしてみてはどうだろうかと考えた。しかし重連は昨年のイベント時にも走っていて、それほどインパクトは無い (-"-;)ウーム 。

(;´д`) んじゃ、三重連ならどうだ?
三重連か・・・うーん、もう一声~ ヽ(・ω・ )
( `Д´) よし、四重連!
デキが四重連!? コレは面白い、ノッた!ヽ(゚∀゚ )
(*`∀´)ノ ええいオマケだ、もう五重連にしちまおう!!
ご、ごじゅうれん!? w(゚□゚*)wナニーッ!!

・・・なーんて、バナナの叩き売りみたいな事があったかどうかは定かではありませんが(単なる筆者の妄想です。くだらなくてスミマセン ^^;)、連休中の10月7日には沿線の秩父で秩父夜祭に山車として登場する「笠鉾」が特別に日中曳行される「秩父祭笠鉾特別曳行」が行われ、その記念にと秩父鉄道では7日の一日に限り「パレオ」をデキの五重連で運転する事を発表。電気機関車が五台も連なった客車列車・・・想像もつかないようなこの列車を一目見たくなり、私は7日の日曜日に秩父へと向かう事にしました。久しぶりに訪れる秩父鉄道、できれば日曜以外の曜日に訪れたかったところなのですが・・・(理由は後述。ね、やなぼーさん・・・ ^^;)。

10月7日(日)

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まずは武蔵野線で北朝霞へ出て・・・(お、メルヘン車)。
武蔵野線 西国分寺

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北朝霞に隣接する朝霞台から東武東上線で
寄居方面へと向かいます。
東武東上線 朝霞台

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終点の寄居まではいかず、玉淀で東上線を下車。
東武東上線 玉淀

西国分寺0640-(武蔵野617E)-北朝霞0700
朝霞台0710-(東上線急行)-小川町0809~0812-(東上線)-玉淀0825

武蔵野線と東武東上線を乗り継いでやってきたのは、玉淀。玉淀は東上線と秩父鉄道の接続駅である寄居のひとつ手前にある駅なのですが、これから目指す秩父鉄道の撮影地は寄居よりもこの玉淀の方が近いので、ここで下車することに。

0005.jpg

玉淀駅のすぐ脇には荒川が流れていて、
東上線は高いガーダー橋でそれを跨ぎます。
なかなかの好撮影地で、秩父鉄道へ向かう前に一枚パチリ。
私が乗ってきた列車の折り返しが通り過ぎてゆきました。
東武東上線 玉淀-鉢形(後追い)

埼玉県北部、羽生から熊谷、寄居、長瀞、秩父を経て、三峰口までを荒川に沿って結ぶ秩父鉄道。このブログでも何度か紹介していて、今さら説明する事も無いおなじみのローカル私鉄ですが、さすがに今回のようなデキ五重連+客車四両という長編成を撮った事は無く、全編成が入るような引きのある撮影地と言うと編成撮りのメジャーポイントである桜沢~寄居の直線くらいしか思い浮かびませんでした。玉淀から歩く事10分ほどで、そのポイントに到着。すでに何人かの先客がおられ、挨拶して私もその横に加わります。カメラをセットしたと同時に踏切が鳴り、まずやってきたのはコレ。

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現れたのは・・・あれ?キハ110!?

秩父鉄道の撮影ポイントなハズなのに、通過して行ったのはJRのディーゼルカーであるキハ110。というのも、このあたりは秩父鉄道とJR八高線の単線並列、つまり並走区間で、写真側から見て手前の電化された線路を秩父鉄道が、奥にある非電化の線路を八高線が走っているのです(ちなみに八高線だと、この撮影場所は用土~寄居間になります)。撮影地の傍らにある踏切は両線を跨いでおり、どちらの列車が来るのかは現れてみないと解りません。その八高線の通過から二分後に再び鳴りだす踏切・・・まあ、今度は間違いなく秩父鉄道の方でしょう。

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続いて手前の線路を秩父鉄道の7500系が通過。
両線は寄居での接続が図られているらしく、
だいたい数分続行でこのポイントに現れます。
秩父鉄道 桜沢-寄居

秩父鉄道と言えば、本命の「ELパレオ」の他にもうひとつ、ぜひ押さえておきたい車両があります。それは元・国鉄(JR)101系の1000系。国鉄通勤形のパイオニア的存在であるこの電車、秩父鉄道に譲渡後も国鉄時代の塗装を纏ったリバイバルカラーなどでファンを楽しませてきましたが、さすがに老朽化で次々に離脱。いま撮った元・東急8000系列の7000・7500系に置き換えられ、現在も生き残っている1000系はわずか三本のみとなってしまいました。その三本も近い将来の引退がウワサされており、ひょっとすると今回が最後の撮影機会になってしまうかもしれません。「パレオ」通過までの待ち時間に現れてくれればラッキーなのだけれど、運用に入っているかどうか解らず、たとえ動いていてもこの撮影地には来ない羽生~熊谷の区間運用に入っている可能性もあって、捕らえられるかは運次第。踏切が鳴るたびに期待するも、やってくるのは元・東急車か元・都営三田線の5000系ばかり・・・。撮影地に着いて待つ事一時間が過ぎた頃、ようやく懐かしいモーター音が背後から聞こえてきました。

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上り方面へ秩父鉄道オリジナルカラーの1010Fが通過。
色は違えど、国鉄101系の面影を存分に感じる事ができます。
秩父鉄道 桜沢-寄居(後追い)

なんとか秩父鉄道オリジナルカラーの1010編成が撮れました~(^^)。一本でも撮れたのは嬉しいけれど、こうなると欲が出てきて、今度は国鉄リバイバルカラーの編成が撮りたくなるもの。現役三本中残りの二本はオレンジの1003編成とスカイブルーの1001編成。どっちか来ないかな・・・などと思いつつも時間は流れ、まもなく「パレオ」の通過時刻を迎えます。あとはその「パレオ」とこの先にある桜沢駅で交換する上りが一本あるだけ。果たしてその列車は・・・

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ここでのラストチャンスに走り抜けたのはオレンジの1003F!
個人的に101系はオレンジがいちばん似合うと思っているので、
この登場はホントに嬉しかったです。

オレンジキタ━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━!! もう諦めて「パレオ」の編成長に合わせたアングルにしようかとも思ったけれど、もしや・・・の勘が働いて、三両アングルのままにしておいて良かったよ・・・。1010編成に続いてこちらも後追いでの撮影だけれど、秩父鉄道は基本的に尾灯を点けないみたいだし、国鉄時代は前灯が非点灯だったので、これはこれでいいのです( ただ、ワンマン運転なので運転士がいないのが不自然だけれど・・・^^;)。思いがけないオレンジの登場で撮影地の盛り上がりは最高潮。そこへ機関車五台、高々とパンタ10基を揚げた「ELパレオ」がゆっくりと、まるで節足動物のようなもそもそとした動きで現れました。

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赤塗装のデキ103を先頭に青デキ四連を連ねた五重連。
機関車五台の迫力もさることながら、10基のパンタが物々しい!
秩父鉄道 桜沢-寄居

うわ~、こりゃまたスゴいなぁ・・・(;゚д゚)ポカーン 。実現してくれた秩父鉄道に敬意を払いつつもあえて言うならば、よくぞこんな酔狂な列車を企画したものだと思います。わずか四両の客車に機関車五台、しかも全パン上ゲ・・・撮影後に横を通過してゆくのをまじまじと眺めていたら、なんだか笑いがこみ上げてきてしまいました ヾ(@゚▽゚@)ノアハハハハハハ。それにしてもこれだけの動力を集中して、変電所がオーバーヒートしないのだろうか・・・。先頭をつとめた真っ赤なデキ103にはヘッドマークの他に日章旗も掲げられ、奇しくも前日のお召し列車に続き二日連続で日章旗クロスの列車を見る事となりました。

デキ五重連の「パレオ」、そして後追いながら二本の1000系も撮れた事に満足して、午前の部は終了。以前にも書いたように、急いで撤収して続行の電車に乗れば、長瀞か秩父で今の「パレオ」を追い越して、もう一度撮ることも可能なのですが、駅近で機関車五台もが入るような撮影ポイントはパッと思い浮かばないし、それにせっかく久しぶりに寄居まで来たので、ここでお昼を採る事としました。寄居と言えば、弊ブログによく遊びにきてくれるソネブロ仲間「徒然なるままに日暮らし」のやなぼーさんのお膝元。そのやなぼーさんがブログ内でよく地元・寄居や秩父の名店を紹介しており、そのなかでも一押しとしてススメられたのが、寄居駅前にあるカツ丼の「今井屋」さん。

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ソネブロ仲間の内輪ネタですが・・・
撮影地からの帰り道、遠くに赤いN◯Xの姿を発見(左下)。
もしや!と思いましたが、すれ違い様によくみたら
「黄色い輪っか」が付いていなかったので
やなぼーさんの愛車ではないみたい・・・(^^;)。

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行きは玉淀から歩きましたが、撮影地は寄居へも歩ける距離。
寄居にはJR八高線、東武東上線、そして秩父鉄道の
三路線が乗り入れています。
三社が改札を共用する共同使用駅ですが、
東上線、八高線がICカード使用可なのに対して、
秩父鉄道は非対応で、清算がチョットややこしい。
秩父鉄道 寄居

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そんな寄居駅のすぐそばにあるのが
「タレカツ丼」で有名な「今井屋」。
でもお店にはシャッターが閉じられています・・・。

しかし残念ながら今井屋は日曜が定休日。冒頭でちょっと触れた「日曜以外に来たかった」という理由はこれで、定休日はやなぼーさんのブログで知っていたのですが、五重連が7日の日曜日一日限りの運転だったので致し方なかったのです。次回訪れた時へのリベンジを決意して今井屋を後にし、お昼が食べられそうな別のお店を探すことにします。しかし、めぼしいお店が見つからない・・・。他にやなぼーさんが紹介していた懐石料理の「喜楽」は発見できたけど、ランチに3000円越えはちょっと贅沢すぎ。リアルタイムにブログで紹介されていたボリュームのある中華料理屋さんはとても歩ける距離じゃない。かといって、駅前にあるチェーン店(◯屋◯兵衛)じゃ味気ないし・・・。結局、ふらふらしていて見つけたお蕎麦屋さんへと入ってしまいました。

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ふだんは蕎麦派の私ですが、
いちおう名物だと言う手打ちの「胡麻だれうどん」を注文。
まあ、可もなく不可もなく・・・といったところ。

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うどんだけではちょっと物足りなかったので、
近くのお店でタイヤキも買っちゃいました。
今回はこのタイヤキだけがやなぼーさんオススメで
唯一買えたものだったなぁ・・・。
(やなぼーさん、スミマセン ^^;)
ちなみにタイヤキはアタマからがぶっと食べる派です。

さて、オナカも満たされたところで午後の撮影へと向かいます。狙いはもちろん先ほど撮った五重連の復路。上りの撮影地にもあまりアテは無いけれど、まだ通過までは時間があるので、車窓を眺めながら探すとしましょう。こういった下車駅が決まっていない場合は、最短区間のキップを買って後で清算します(秩父鉄道はICカード使えないしね)。

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寄居駅に入ってきた三峰口行きの下り電車は、
先ほど撮った1000系秩父色の1010F。
私は意外と「乗り」の方では1000系と相性がよく、
訪れるたびに乗る機会に恵まれます。
秩父鉄道 寄居

懐かしい元・国鉄101系のモーターサウンドを聴きながら車窓に目をやると、寄居の市街地を抜けた列車はやがて荒川の渓流に沿って走るようになります。この辺は秩父鉄道の中でもとくに景色の良いところなのですが、線路のすぐ脇を交通量の多い県道が並走していて、スッキリとした抜けのよい撮影地がありません。そこでさらに先へと進むと、不意に線路端を流れる赤い波が目に飛び込んできました。思わずそれに吸い寄せられるように下車したのは上長瀞。

寄居1224-(秩父1525)-上長瀞1244

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立派な佇まいの上長瀞駅。
近くには県立の自然博物館があり、
「パレオエクスプレス」の名の由来である
恐竜「パレオパラドキシア」の骨格復元模型などが
展示されているようです。
秩父鉄道 上長瀞

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上長瀞駅から長瀞に向けて、線路端に群生していたのは
ヒガンバナの赤い花。
秩父鉄道 上長瀞付近(開いた踏切から撮影)

そう、線路端に沿っていた赤い波とは秋の風物詩でもある曼珠沙華(まんじゅしゃげ)ことヒガンバナ。見事なまでに咲き誇った赤い花々が群集となって長瀞方向へ伸びています。引き幅が無くて五重連を撮るには向かないポイントですが、せっかく列車と絡められるところにきれいな花を咲かせているので、少しここでも撮影をしてゆく事にしました。時間的に上下一~二本ずつ撮るくらいの余裕はあるかな・・・。

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真っ赤な曼珠沙華の列を愛でながら傍らを走り行く、
元・都営三田線6000系の現・5000系。
秩父鉄道 長瀞-上長瀞(後追い)

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次にやってきた下り列車は6000系の急行「秩父路」。
「秩父路」は上長瀞を通過するため駅の時刻表には載っておらず、
あやうく撮り逃すところでした。
秩父鉄道 長瀞-上長瀞

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線路脇の小径は地元民の生活路でもあります。
小学生くらいの女の子が、ピカピカの自転車を
大事そうに手で押して歩いてゆきました。(^^)

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今度は逆方向を向いて上り列車を。
こちらは逆光になりますが、
日の光に浮かび上がった曼珠沙華もなかなか美しい。
秩父鉄道 上長瀞-長瀞

ちょうどウマい具合にこの時間帯(だけ)は陽が差し、青空も広がってきて、赤い花がいっそうキレイに映えてくれました。予定通り、上りの普通列車二本、下りの急行列車一本(+自転車一本)を撮ったところで撤収し、次の列車で五重連が撮れる撮影地へ向かう・・・つもりでした。しかし、そばでご一緒させていただいた同業者の方は「おそらく次の下り列車はオレンジの1000系(1003F)だろう」と言っておられます。実は秩父鉄道の運用は単純な往復運転ではなく、途中で入庫や区間運用などが入るため、私のような秩鉄ビギナーには運用が掴みづらい。朝の寄居で上っていったオレンジは熊谷止まりで、その後入庫したのか折り返してくるのかサッパリ解りませんでした。しかし下り方面へ行くところを見ていないのは確かなので、運用に入っていればそろそろ現れてもおかしくない・・・。でも、まさにこの下り列車に乗らなければ、五重連の通過前に他の場所へ移動することができません。いつもながら乗ったら撮れないは徒歩鉄の悩み。さて、どうするか・・・(-`ε´-;)ウーン。 前述したように引退危機が迫りつつある1000系、この曼珠沙華との組み合わせも今シーズンがおそらくラストになると思われます。悩んだ末、私は次の列車も乗らずにここで待つ事としました。ところが、そこに現れたのは・・・

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曼珠沙華が彩る路を軽やかに駆け抜けてゆくのは、
1000系ならぬ、7500系・・・orz
秩父鉄道 長瀞-上長瀞

元東急車の7500系・・・残念ながら予測は外れてしまいました (´・ω・`) 。これならば乗って移動した方がよかった・・・などと今さら言ってもあとの祭り。もちろんこれで同業の方を責めたりはできません。ここに残ったのは自分自身の判断ですし、本当にビギナーにとって秩父鉄道の運用を読むのは難しいものなのです・・・。とはいえ、これで列車での移動はできなくなってしまいました(正確に言えば、数駅程度なら次の列車でも移動できるけれど、撮影地までの時間などを考えるとかなりキビシイ)。でも幸いな事に上長瀞と言えば、すぐ近くに秩父鉄道屈指の有名撮影ポイントがあります。曼珠沙華の小径から上長瀞駅を通り抜けて反対の親鼻方面へと進み、やってきたのは荒川の河川敷。ここは昨年の「ELみつみね」の時も復路を撮った場所なので、今回は違う撮影地を選びたかったところですが、自分のアタマの中に残された選択肢はもうここしかありませんでした。

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荒川に架けられた高いガーダー橋を渡る、秩父色1000系。
私が寄居から乗ってきた列車が折り返してきたものですね。
秩父鉄道 親鼻-上長瀞

しかし本命列車の30分前に着いてみると、すでに河川敷には大勢の先客が待ち構えており、私が撮影できそうなポジションはほとんど見当りません。なんとか確保できたところからは三両編成の1000系を撮るのが精一杯で、五重連を入れるのはかなり苦しい。あと残された手段はと言えば・・・川の中から撮る方法。川は浅瀬なのでズボンの裾をまくって、くるぶしあたりまで浸かればなんとかなんとかなりそうですが、すでに季節は秋で山あいを流れてきた荒川の水はかなり冷たそう。でも背に腹はかえられず、通過の10分前に思い切って靴と靴下を脱いで川へと足を突っ込んでみました。はじめは思っていたほど冷たくない・・・などと感じたものの、やはり時間が経つにつれて徐々に足先から体中へ冷えが回ってきます。ああ、はやく・・・はやく「パレオ」よ来てくれ~(((((((;´д`)))))))ガクガクブルブル。そこへ聞こえてきた、汽笛一声・・・。

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今度は青デキ四重連の後に赤デキが続く形となった五重連。
荒川橋梁を渡るシーンを真横から眺めると、
まるで模型のような光景です。(^^)

ゆっくりと現れたにもかかわらず、若干の切り位置ミス・・・。できれば三機目と四機目の間のちょうど真ん中に架線柱を置きたかったところだったのですが、手持ちで焦って、早切りしちゃいました・・・。それでもこの雄大な鉄橋で五重連が撮れたのだから、満足のいく結果だったかな。撮影後、列車がすべて橋を渡り切るよりも先に、私が冷たい川から飛び出したのは言うまでもありません。

これでデキ五重連の「ELパレオ」を狙った秩父鉄道の撮影は終了です。SLの故障という緊急事態の苦しいなか、このような楽しい列車を走らせてくれた秩父鉄道の努力と心意気にはファンのひとりとして本当に感謝です。個人的には寄居のお昼ゴハンに心残りができてしまいましたが、それはまた訪れた時の楽しみとして取っておく事にしましょう。次回はひょっとすると、1000系の「さよなら運転」なんてことになるのかなぁ・・・(はやくも葬式鉄宣言!?)。

   

1028.jpg

帰りは御花畑を経由し、西武秩父・池袋線へ。
連休中のわりに秩父からは空いていたのですが、
途中の高麗ではホームに溢れんばかりの人が乗り込み、
一気に車内も大混雑に・・・。
そういや高麗は曼珠沙華で有名な巾着田の最寄り駅でしたね。
西武秩父線 西武秩父

上長瀞1524-(1535)-御花畑1545
西武秩父1600-(西武秩父線)-飯能1648~1649-(池袋線急行)-所沢1713~1717-(国分寺線)-国分寺1734



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中央本線・・・E655系「お召し列車」撮影記 [鉄道写真撮影記]

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2012.10.06
中央本線
緊張!緊迫!感動!
E655系「お召し列車」 撮影
  

昨年11月、中央線・東京~甲府で運転されたE655系による「お召し列車」。これは恩賜林(明治天皇が水害からの復興支援のために贈った森林)が贈られて100周年になるのを記念する式典が山梨・甲府で開かれ、当初はその式典に天皇陛下がご出席する予定で仕立てられたものでした。しかし直前に陛下は体調を崩されて入院。一時はお召し列車も運転自体が危ぶまれたものの、式典にはご名代として皇太子殿下がご出席されることになり、殿下を乗せた日章旗付きのお召し列車は無事に秋晴れの中央線を快走しました。私はその様子を立川~日野にある多摩川の鉄橋で撮影し、このブログでも「ONE-Shot」として紹介したのは記憶に新しいところです。あれから一年、体調が戻られた天皇陛下は昨年に見られなかった恩賜林の視察をご希望され、それが実現。なんと昨年に続き、今年の秋も中央線の東京~甲府でお召し列車が運転されることとなりました。果たせなかった訪問先へあらためて足をお運びになるとは、律儀で本当に頭の下がる思いです。ご訪問の日取りは10月6日(土)、日帰りの行幸啓。三連休の初日ですが私は遠出をせず、もちろん今年もお召し列車撮影に参戦します。


10月6日(土)

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まずは地元駅から中央線を下って八王子へ。
甲府方面(山線)への接続列車は立川か高尾のイメージが強いのですが、
この松本行き429Mは八王子始発でした。
連休初日ということで、ホームには登山などへ向かう行楽客がいっぱい。
中央本線 八王子

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八王子にはお召し列車の非常時救援機として、
ピカピカに磨かれたDD51 842が待機していました。
あくまでも救援機なので、出番がないことを願います。
中央本線 八王子

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そのDD51 842とE655系が組んだらどんな編成になるのか・・・それがコチラ。
07年暮れに東北本線で行われた、訓練運転での一コマです。
とくに今回のお召し運転には関係ないのですが、なかなか紹介する機会もないので、
オマケ的に載せてみました。(^^;)
07.12.25 東北本線 東大宮-蓮田

お召し列車の撮影でいつも悩むのが撮影場所。というのも、当然ながら天皇陛下がお乗りになる列車は警備も厳戒態勢が敷かれて、普段撮っているような臨時列車の撮影とはわけが違います。鉄道敷地内はもちろんのこと(これは普段でもダメですよね)、線路に近いかぶりつきの撮影地や踏切、跨線橋なども場所によってはアウト(撮影禁止)になる場合があります。その裁量はその場の警察や鉄道会社の判断によるものが大きく、一概にすべてがダメということではないけれど、撮れると思ってカメラを構えていたのに、通過直前になって警察から「ここでは撮れない」といわれて、移動を余儀なくされた・・・というのもよく聞く話。そんななか、比較的引きがあって見通しが利く多摩川橋梁などはまず間違いなく撮影が可能なポイントで、昨年は無難にここで撮影をしました。さて、今年はどこにするか・・・昨年と同じ多摩川じゃ面白くない。かといって、首都圏近郊は高架区間が多く、高尾以西は山間部を走る中央線には、東北線のヒガハスや高崎線のオカポンのような編成が解りやすい引き絵の撮れる場所が少ない。線路かぶり付きポイントは前述したように、どこがOKで、どこがアウトか解らんしなぁ・・・"o(-_-;*) ウゥム…。多摩川以外でパッと頭に思い浮かんだのは、鳥沢~猿橋にある新桂川橋梁。あそこなら撮影は大丈夫だろうし、キャパも広い。しかしそうすると私が撮ったE655系のお召しは、前回の多摩川、そして08年に常磐線で運転された際に選んだ利根川橋梁と、三回とも鉄橋での撮影ということになってしまいます。鉄橋が撮りやすいのはたしかだけれど、今回はちょっと絵を変えたい。そこで最終的に私が撮影地に選んだのは初狩。

八王子0635-(中央429M)-初狩0726

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初狩はホームと駅舎の間に引込み線があるちょっと変わった駅。
昔は勾配のある本線上ではなく、この駅舎に隣接した引込み線の位置に
ホームがあり、列車はスイッチバックを経て停車していました。
旧ホーム廃止後は貨物の留置線などに活用されていたようですが、
現在は使用されていない様子。
上写真はホーム地下通路出口から見た駅舎で、
下の写真は逆に駅舎側から見たホーム。
(駅舎の外観はタイトル写真を参照)
中央本線 初狩

初狩で降りるのは、中央線201系最後の編成であるH7編成のさよなら運転を見送って以来二年ぶり。はじめはそのH7を撮った場所もお召し列車撮影の候補地として考えていたのですが、あそこは敷地外ではあるものの、線路に近い場所から正面気味に狙うことになるため、アウトになる可能性があります(実際は撮影OKだったらしい)。ここでもなるべく無難にと考えて向かったのは、駅から15分ほどのところにある高台の撮影地、いわゆる「お立ち台」ポイント。お召し列車を上から見下ろすのはちょっと気が引けますが、まあここなら撮影自体はOKでしょう。

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1903年(明治36年)の開業時に作られたと思われる
狭いレンガ造りのアーチトンネルをくぐると・・・

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山の中腹にあるお立ち台が見えてきます。
すでに多数の同業者が見られますが、まだ余裕はありそう。

撮影地にはお召し列車通過の三時間半前に到着。ここもキャパは広く、撮影場所は難なく確保することができました。非鉄の方ならば三時間以上も前に!? と驚かれるかもしれませんが、お召しの場所撮りとしてはこれでも遅い方で、なかには前日入りで現地マルヨ(徹夜)なんていうツワモノもいらっしゃいました。それにこのブログでもたびたび取り上げているように、休日の中央線は臨時列車が多数運転されていて、長い待ち時間もそれほど退屈しません。同じアングルばかりになりますが、ここでは時間の経過とともに現れたいくつかの列車をピックアップしてみます。

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まずはEH200-20牽引のタンカー貨物。
貨物に疎い私にとっては貨物列車もじゅぶんにネタです。
中央本線 初狩-笹子 (8:46)

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土曜休日運転、横浜から横浜線経由で運転される
松本行きの特急「はまかいじ」は、
中央線を走る貴重な185系の列車です。
線路脇の小道はこの撮影地へ続いていて、向かってくる同業者の姿が・・・。
(9:21)

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三連休初日であるこの日は、183系大宮車による
特急「かいじ183号」が運転されました。
絵幕ではなく「特急」表示なのがちょっと残念。
(9:50)

0012.jpg

スカ色の115系は意外と少なく、後追いしか撮れませんでした。
この列車は初狩10時05分着の536M。
(10:04)

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そのかわり長野色115系はたくさんやってきます。
思いがけず長野色同士のすれ違いなんてシーンも撮れちゃいました。
房総から転属した211系が運用を開始したら、貴重になるかも?
(左・538M/右・531M 10:19)

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再び国鉄色183系の登場。今度は田町車による特急「あずさ75号」。
この撮影地、10連の長い編成は全部入りきりません・・・。
(10:35)

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国鉄色の4分後には上り線を「あさま色」189系が通過。
これは夜行列車「ムーンライト信州」の送り込み回送。
(10:39)

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臨時列車のシメは、215系のホリデー快速「ビューやまなし」。
連休で、二階建て車両にたくさんの客が乗っていました。
(10:41)

・・・と、まあこんな感じで、まさにひっきりなし。たとえお召し列車が無くても、これだけの国鉄形やら貨物列車が撮れればけっこうオナカいっぱいで、関西から来られたという隣人は「スゲーなぁ、中央線!(°◇°;)」と、驚かれていました。ところで、時間は前後しますが、お召し列車通過の約二時間前、まるで臨時列車の合間を縫うかのように線路脇の小道に現れたのは警察の方。

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撮影地へ向かって、おまわりさんキター(゚∀゚)!
(8:50)

警察と聞いて撮影地全体に緊張が・・・ということはなく、むしろ待ってました状態。やっぱりお召し列車撮影はこうでなくちゃ(´∀` )。昨年の多摩川でも警察の方はいましたが、横で警備する程度で細かいことは何もありませんでした。ところが今年は違います。撮影に対しての注意事項にはじまり、なんと一人ずつの荷物検査。さらにカメラのチェックとして、デジカメはシャッターを切り(空切り)、空切りするのがもったいないフィルムの入っている銀塩カメラに対してはレンズを外して本物のカメラ、レンズかどうかをチェック。う~ん、気合い入っているなぁ大〇警察署。この撮影地で告げられた注意事項の主なものとしては、「斜面は滑り落ちる危険があるので三脚等を立てないこと。あくまでもここは私有地であり、地主さんがいるので節度のある行動をとること。その他、警察側で危険だと感じるようなことがあればその注意に従うこと」等々。ここは比較的線路から離れているので、お召し列車に対する直接的なものはありませんでした。

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地元警察による注意事項の説明。
(8:55)

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さらにひとりひとりの荷物検査とカメラチェック。
(9:27)

警察による荷物チェックとはちょっと仰々しいですが、対応するおまわりさんはとても物腰が柔らかな方で、こちら側も終始笑顔。「あ、国鉄色が来たからチェックちょっと待って!」なんてことがあると、現場にも笑い声が上がります(^▽^)。でも、ここまで細かいチェックを受けるのは久しぶりのことで、私は両毛線で運転された96年のお召し列車以来かな・・・。

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警察のヘリが飛び、周辺は上空からも監視されています。
(10:17)

警察のチェックを受け、前座(?)となる臨時列車もすべて通過しました。あとはいよいよ本命のお召し列車を待つばかり。天気の方は臨時列車の羅列を見ていただければ解るよいうに、晴れたり曇ったりを繰り返しています。ここは順光ポイントなので、できれば晴れてほしかったところですが、雲は抜けそうで抜けない・・・。そこへ前走りの「スーパーあずさ11号」が通過。

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お召し列車直前のE351系「スーパーあずさ11号」。
これはいわゆる「露払い(本列車の通過前に線路上に
問題がないことを確認する)」になるのかな?
(11:03)

残念ながら日差しはもう期待できないものと考え、少し感度を高めに設定(ISO400)して本命の登場を待ちます。たくさんの同業者が集まったお立ち台は水を打ったような静けさとなり、ピーンと張り詰めた空気のなか固唾を呑んで線路を凝視していると、やがて日章旗を掲げた壮麗な列車が姿を現しました。

0022.jpg

天皇、皇后両陛下を乗せたお召し列車が
初狩の町を背に中央線を走り抜けてゆきます。
これぞE655系「なごみ」の晴れ舞台!
(11:18)

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特別車(E655-1)には陛下のお姿が!
高いところから失礼いたします。m(_ _)m
(トリミング済み) (11:18)

ああ、感激・・・: *:・(*´∇`*).・: *:・。結局、日は当たらなかったけれど、日章旗をはためかせたお召し列車が撮れ、さらにほんの一瞬、肉眼で天皇陛下のお姿が確認できただけでもじゅうぶんに満足のいく結果となりました。お召し列車撮影は写真の出来よりも、この緊張の中で撮影できたという達成感がいちばんの醍醐味なのではないでしょうか。何よりもここに集まった皆さんが見せた安堵の笑顔がそれを物語っているように思いました。

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お召し列車の直後には緊急時の予備車であるE257系(M102)が通過。
最近はこちらを「露払い」と呼ぶ声も聞かれますが、
本来、露払いの意味は貴人を先導するものの意味であり、
横綱土俵入りなどでも先導するのが露払いの役目。
本列車の続行で走る予備車は、さしずめ「太刀持ち」といったところか?
(11:23)


初狩1153-(544M)-高尾1245


さて、冒頭でもちょこっと触れたように今回のご訪問は日帰りの行幸啓で、お召し列車は当日中に復路(甲府~東京)も運転されます。しかし甲府の発車時刻は17時半と遅く、今の時期ではすでに日没後。これでは走行写真を撮るにはかなりキビシイ。さらにお召し列車は基本的にノンストップで(今回の場合は新宿のみ一分停車だったかな?)、駅での停車シーンもほぼムリ。ふつうならここで復路はあきらめて、往路に撮った写真を肴に家で一杯やるところですが、今回の運転は何と言っても地元の中央線。家から数分のところをお召し列車が通過するのに、のんびりと酒などあおっていられるか!ヽ(#`Д´)ノ ・・・ってことで、無理は承知の上で復路の列車も狙いに行ってしまいました。とはいえ、当然ながら外はもう真っ暗。やはりふつうには撮れません。そこで目をつけたのが、中野駅北口にあるペデストリアンデッキ。ここはつい三ヶ月前にできたばかりのスペースで、実は中央快速上り線ホームと目線の高さがちょうど同じくらい。編成がきれいに入るようなところではないけれど、日章旗を掲げた先頭部くらいは何とか捕らえられそうです。いちおう通過の一時間前に着いてみるも同業者の姿はナシ。やはりこんな場所で撮る酔狂なヤツなど他に居まい・・・と思っていたら、なんと後からもう一方だけ同じ考えの方がいらっしゃいました w(°o°;)wオオ!!。先方もこんなところに同業者がいるとは・・・と、ちょっと驚かれた様子。

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まずはE233系の快速で試し撮り。
でも中野に停車する快速や特快は速度が遅く、
あまり参考にはなりません。。。
中央本線 中野 (18:26)

日没後に通過するお召し列車を撮影するのはこれが初めて。やはり昼間同様に警察のチェックなどが入るものなのだろうか? しかし辺りに警察官の姿は見えない。ここは撮っちゃダメって言われるのは困るけれど、まったく来ないのも拍子抜けだなぁ・・・などと思っていた矢先、不意に背後から初老の男性に 「どうです、ここはうまく撮れそうですか?」と声をかけられました。背広姿のこの方、一見するとくたびれた課長クラスのおっさん(失礼!)なのですが、「何を撮っているのか?」とは聞かないところをみると、事情を知っている者の様子。かといってカメラは持っておらず、同業者ではない。白髪の間から出ているのはイヤホンのコード・・・そう、この方こそ私服警察官なのでありました。しかも無線で 「おい〇〇号、アカトウ(赤灯)は消して待機だろ!」などと指示しているところを見ると、かなりエライ方みたい(パトカーが目立たなかったのは赤色灯を消していたのですね。よく見ると駅前に数台が確認できました)。さえない課長から一転、まるで刑事ドラマに出てくる味のあるベテラン刑事といった感じに見えてきました・・・。その初老デカさんに、念のためここで撮っても大丈夫かと尋ねると、問題ないとのこと。さらに正確な通過時間も教えてくれました。それによると中野は19時07分通過、新宿が同13分着で、本列車はすでに八王子を定時に通過したとのこと。う~んスゴイぞ、さすが初老デカ!ヽ(*´∀`*)ノ

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E257系の特急「かいじ120号」。
このくらい写し止められれば上出来なんだけど・・・。
(19:02)

19時02分、定時に「かいじ120号」が通過。高尾より手前の山線区間ではこの列車が露払いの役割を果たしているはずですが、運転本数が密集する近郊区間ではこの後にもう一本、中野19時06分発の快速電車(1806T)が入ります。定期列車のわずか一分続行で運転されるお召列車、通過列車であってもそれほど速度は出さないかな? でも新宿まで5~6分はふつうの快速電車ペースか・・・いろいろな思考がアタマの中を駆け巡るなか、1806Tが発車し、駅のホーム上では通過列車を知らせるアナウンスが鳴りました。その瞬間、緊張でアタマの中は真っ白に・・・。

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日章旗をはためかせ、日暮れの中野を通過するお召し列車。
(19:07)

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引き付けて、なんとかもう一枚
日章旗ではなくサイドのJRマークに振りが合っちまった・・
・。
E655系の艶やかなボディにはネオンがクッキリ(^^;)
(
19:07)

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残念ながら特別車のブラインドは下りていました。
(19:07)

もう、無我夢中。やみくもにカメラを振ったことしか覚えていません・・・。拡大するとブレているけれど、あのハンパ無い緊張と私のウデを考えれば、まあこんなもんではないでしょうか。特別車のブラインドが下りていて両陛下の姿は確認できませんでしたが、往路ではずっとお立ちになって手を振られていたようなので、復路はゆっくりとおくつろぎになっていただきたいですよね。これでお召し列車撮影はすべて終了です。
緊張感から開放されてふと辺りを見回すと、ゆっくりとデッキの階段を下りてゆく初老デカの背中がありました・・・。(`・ω・´)ゞオシカレサマデツタ!



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スイスⅤ03・・・ヌシャテル・湖畔からの鉄道撮影記 [あおたけ的 SWISS紀行]

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2012.09.16~09.23 スイス 03
ヌシャテ
湖畔からの鉄道撮影記

仕事で訪れているスイス。前回からの続きです。
今回の出張で滞在したスイス北部の街、ヌシャテル(Neuchatel)。前回は街の様子と共に、スイス国鉄(SBB)や私鉄(BLS・TRN)の列車が集うヌシャテルのメインステーションを紹介しましたが、実はヌシャテルにはこのほかにもうひとつ、ヌシャテル湖の湖畔にも小さな駅があります。

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湖畔の公園内に佇むのは、黄色い電車。
ここはヌシャテルの街にあるもうひとつの駅です。

ヌシャテル・プレイス・プリー (Neuchatel Place Pury) という名のこの駅は、旧市街の繁華街に程近く、SBBのメインステーションよりも地域に密着した印象を受けます。ここを発着するのが、前回紹介したトロリーバスと同様にヌシャテルの自治体が管理する交通機関「ヌーシャテル公共交通(Transports en commun de Neuchatel et environs=TN)」の軌道路線、「リットラル・ヌーシャテル線(Transports publics du Littoral Neuchatelois)」 (ヌシャテルの街は市ではなくコミューン(基礎自治体)なので、市バス・市電ではなく公共交通と訳します)。この通称・リットラル線は、ヌシャテルの中心部から郊外のボンドリィ(Boudry)へ伸びる全長わずか8.8キロの電化単線。軌間は1000ミリという狭軌のミニ路線で、トラムに毛が生えた・・・というか、スイスの鉄道一覧ではトラムや路面電車に分類されているような路線ですが、併用軌道区間(道路を走る路面電車区間)は一箇所もなく、全線に渡って専用の軌道を走ります。高規格のトラム、いわゆる「トラムトレイン」ってヤツでしょうか。また、前回にも触れたように坂道が多く、アップダウンの激しいヌシャテルの街なかには乗り入れず、平地にある湖畔のプレイス・プリー駅を発着点とし、そこでトロリーバス等への接続が図られています。

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道路沿いに線路は引かれているものの、
併用軌道ではなく専用軌道を走るリットラル線の電車。
12.9.19 TN Neuchatel Evole-Neuchatel Place Pury

線名に冠されている「リットラル(Littoral)」とは仏語で「海岸・海沿い」という意味で、ここではもちろん海ではなく湖のことを指し、その名の通りヌシャテル湖の湖岸に沿って引かれているリットラル線。前回紹介したヌシャテル城からのSBBは思っていたほどいい絵にはならなかったので、今度はこの湖沿いを走るリットラル線で、少しでもスイスらしい鉄道写真を狙ってみたいと思います。
まずは湖畔の遊歩道を歩き、オーソドックスに順光側から撮影。

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ちょっと雲が多めですが、気持ちのよい秋晴れのもと、
黄色い電車が湖沿いを走り抜けてゆきます。
いい場所ですが、ここで電車と湖の両方を入れようとすると
真ん中にある遊歩道が目立ちますね・・・。
12.9.20 TN Neuchatel Place Pury-Neuchatel Evole

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遊歩道が目立たないようにと、今度は湖の波打ち際まで下りてみます。
ヌシャテル湖は透明度が高く、とても水がキレイ。
背景の街並みの中には、前回紹介したヌシャテル城の牢獄塔と
城壁の上にあったコレジアル教会の三角屋根が見えます。
あ、電車の顔に架線柱の影を落としちまった・・・(-_-;)

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湾曲した遊歩道の突端から、今度は湖面を多めに入れて。
引き画でも黄色い電車は存在感ありますが、
これはちょっと電車が小さすぎたかな・・・?

きれいな湖とカワイイ黄色い電車、天気にも恵まれた好条件のはずなのに、どうもピリッとした写真にならない。むしろ光線状態がバリバリの順光すぎて、全体的にベタッとした感じになっちゃうのかな・・・。列車の編成写真などを撮る場合には前面とサイドに光が当たるバリ順がベストですが、風景などを入れて撮る情景写真の場合は、多少の陰影があってもいいものなのかもしれません。ならば、いっそのこと逆光側へと回ってみるか・・・。アッチイッテミヨ...(((((*。・ω・)。

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線路の反対側へ回るには、こんな踏切を渡ります。
いちおう警報機は鳴りますが、遮断器はありません。

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実はその踏切脇にあるのが、TNの検修車庫。
バスと電車がランダムに(?)留置されています。
12.9.20 TN Neuchatel Evole

踏切と道路を渡ってやってきた逆側。先ほどの場所がバリ順ならば当然コッチはバリ逆で、ふつうに電車を撮ってしまえば真っ黒く潰れてしまいます。でもその条件を逆手に取って生かすと、案外面白い絵が撮れるものだったりして・・・。

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真っ青なヌシャテル湖をバックに、
パンタを高々と上げて走り抜ける、リットラル線の電車。
12.9.20 TN Neuchatel Place Pury-Neuchatel Evole

お!なかなかいいじゃん (゚∀゚)!! これこそまさに湖沿いを行く「リットラル」線らしいカットと言えるのではないでしょうか。どことなく江ノ電の鎌倉高校前駅近くにある海バックの踏切に似たような情景。そういえば今夏、一度は江ノ電へ撮影に行きたいと思いながら、結局行けずじまいだったんだよな・・・。
こんなふうに撮れるのならば、はじめからコッチ側から狙えばよかったのですが、実はここで列車を撮るには、とある「リスク」が伴うのです。

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線路の手前にあるのは、交通量の多い道路・・・。

そう、それは前を横切るクルマ。順光側の遊歩道に対して、こちら側には線路に沿って車道があり、今撮った列車は運良くキレイに抜けてくれたものの、クルマとのカブりは紙一重。こんなところも鎌倉高校前の踏切に似ています・・・(あっちは電車と海岸の間に車道があるのだけれど)。そんなリスクもあって、順光の遊歩道側から撮りはじめたのですが、この絵を見ちゃうと、逆光側の方が断然面白い。リットラル線は上下30分ヘッドで、終点のプレイス・プリー駅に近いここは、上りの後すぐに折り返しの下りが来て、その後20分以上の待ち時間というスパン。20~30分に一本の電車が上手くクルマにカブられずに撮れるかどうかは、もう運次第と行ったところか・・・。では、5分後に来る今の折り返し電車はと言うと・・・

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トレーラー側の先頭車はカブられずキレイに抜けました~。
沖の方に見えるヨットもいい感じ ヾ(´∀`*)ノ゙♪

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でも、続く連結面はクルマが・・・ Σ(゚Д゚;)ナヌッ!?

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そして、パンタ側の先頭車も
クルマの後部が抜けきれず・・・(´・ω・`) ショボーン

縁石の上に乗って、先ほどのアングルよりもちょっと高い位置から湖面を多めに入れて狙ったのですが、残念ながらクルマが並走してきてしまいました・・・(>_<;;)。トレーラー側の先頭車はウマく抜けてくれたのですが、やはり電車のシルエットとなると、パンタがあるモーター車側の先頭車を撮りたかったところ。次の列車は20分後・・・しかしこの時間、明るいように見えてもすでに午後5時を回っており、ちょうど帰宅ラッシュで道路が混みはじめる頃。渋滞とまではいかなくても目の前でクルマが止まることもしばしば起こり、迎えた次の列車はこんな切ない結果に。

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ハイ、クルマ二台とモロカブり~・・・(。A 。)アヒャヒャヒャヒャ...

さらに5分後の折り返しも待ってみましたが、今度は大型トラックに阻まれてシャッターも切れず、大撃沈。この時点でフリータイムのタイムリミットを迎えてしまいました(6時から仕事先の方との会食が予定されていたもので・・・)。結局、逆光側に回っていちばん最初に撮ったものが、モーター車側で唯一カブりのない、ベストカットになりました。一枚撮れただけでもヨシとすべきか・・・。

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ホテルへ帰る道すがら、
もう一度、湖側の遊歩道から撮影。
これが美しい街並みを誇る湖畔の街・ヌシャテルで撮る
最後の風景写真です。

プロの鉄道カメラマンや絵作りの上手い方ならば、条件を見て瞬時にどの方向がベストなのかを見極めるものなのかもしれませんが、私の場合、やはりオーソドックスに順光側から狙う傾向が強く、ツマラナイ絵を量産しているように思います。今回もはじめは順光側から電車と、湖と、街の風景を・・・とあれこれ欲張ったものの、結果は単なる記念写真に過ぎず、条件の悪いと思っていた逆光側にまわり、青い湖に浮き出た電車のシルエットを目にした時は、まさに目からウロコでした。ここではたまたまスイスでの撮影体験でしたが、日本で撮影する時も余裕を持って、ちょっと視点を返ると、もっと鉄道写真の幅が広がるのかもしれませんね(そんな事を勉強しにスイスへ行ったわけぢゃないんだけどね・・・^^;;;)。
 
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この日の会食、メインディッシュは馬肉のステーキ。
アメリカやイギリスなどは馬肉を食す事に否定的な文化ですが、
スイス(特に仏語圏)は好んで馬肉を食べます。
(日本でも馬刺しや桜鍋として食べますよね)。
ちょっと興味本位から馬肉のステーキをチョイスしましたが、
味は牛と大差なく、言われなければ牛のステーキだと思うかも
(ちょっと色は赤みが強いですが・・・)。
赤ワインに合って、ふつーに美味しかったです。☆☆☆・・

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デザートはチョコレートジェラート、
ビター、ホワイト、ミルクの三種盛り。
これぞチョコレート王国・スイスのデザートって感じで、
かな~
り濃厚でした。☆☆☆・・


これでスイス紀行Ⅴは終了です。今年二度目、しかも三ヶ月前に行ったばかりのスイスで、なかなか新鮮な鉄道の話題は見つけにくいのが正直なところなのですが、今回はヌシャテルという初滞在の街を散策することで、古城や湖と絡めた新たな鉄道風景をお届けする事ができました。個人的にはヌシャテル城を取り損ねた事と、リットラル線の湖バックをもう少し煮詰めたかった・・・というのが、ちょっと心残り。次にこの街を訪れる機会があれば、また坂道をヒイコラいいながら城壁を目指し、湖で眩しい日差しに当たりながら、列車を眺めたいと思います。今回もお付き合いいただきましてありがとうございました。m(_ _)m

9月22日(土)
Neuchatel0827-(ICN1517)-Zurich Flughafen1020

9月22日(土)~23日(日)
ZHR1300-(LX160)-NRT0750

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