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カンボジア・・・プノンペン駅 訪問記 [鉄道旅行記]

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2013.06.18
カンボジア
復活を待つ、首都の駅。
プノンペン駅 訪問
  

 

今週、私の仕事にしては珍しく、東南アジアへの出張が入りました。渡航先はインドシナ半島のほぼ中央に位置するカンボジア。私にとって初めて訪れる国です。
鉄である以上、まず真っ先に気になるのは、やはりその国の鉄道事情。東南アジアの鉄道というと、ソネブロ仲間のtwingo583さんが仕事でよく訪れていらっしゃるタイなどは路線や車両が充実しているようだし、インドネシアのジャカルタでは日本の中古車(東京メトロや東急の車両)が走ることで、ファンには有名。ではカンボジアはというと、事前に調べたところでは(と言ってもwikiだけどね)、国の運輸省が管轄しているカンボジア国鉄(カンボジア王立鉄道)の二路線(北線・南線)が存在していますが、70年代のカンボジア内戦で施設に大きな被害を受けた上、線路の敷石に地雷が埋設されていたり、さらに沿線がスラム化したりして立ち入りが危険な場所もあることから放置されて荒廃してしまい、長年に渡って列車の運転は行われていなかったとのこと。ようやく近年になって本格的な修復作業が進められて、一部の区間では貨物列車を中心に運転が再開し、旅客列車も週に一本程度の設定がされたものの、車両の老朽化が激しく、また、山賊に襲撃されるなどの治安問題で旅客・貨物ともに利用者は僅少。平行する国道が整備されていることから、輸送手段は鉄道よりもバスやトラックなどのクルマが主体で、鉄道は再び運休状態にあるという。そんなわけで、残念ながら現在のカンボジアで動いている列車の姿を見るのはかなり難しい様子 (´・ω・`)ショボーン。
それでも、私が訪れる首都のプノンペン(Phnom Penh)には地図を見るかぎり、今も街の中心部に駅が存在しています。たとえ営業列車はやって来なくても、駅へ行けば何かしらの鉄道にまつわるものがあるハズ。せっかく与えられた海外渡航の機会、鉄道ブロガーとしては一つでも鉄ネタを拾ってきたいものです。今回の出張は現地二泊三日の強行スケジュールで、プノンペンの滞在は一日。仕事の合間に与えられたわずかな自由時間で、同行者がお土産を求めてマーケットなどへ向かうなか、ひとり私はプノンペン駅を目指してみることにしました。


6月18日(火)

カンボジア滞在二日目のこの日は、午前中に二時間程度の余裕があります。はたしてこの時間内でホテルから駅へ往復できるのか、とりあえずスマホの地図アプリで調べてみると、宿泊しているホテルからプノンペン駅までは意外と近くて、約一キロといったところ。これならば徒歩で片道20分もあれば到達できそうです。さっそくスマホを片手にホテルをスタート (/*´∀`)o レッツラゴー♪。

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街角で地図を広げて悩まなくても、
スマホで目的地の場所が容易に検索できます。
う~ん、便利になったものだなぁ・・・。

熱帯気候のカンボジアは、常に30度を超える気温と高い湿度で、かなりムシ暑い。歩きはじめて10分も経たないうちに、もう汗だくだく 。゚(;´д`A)アヂィ・・・。それでも雨期にあたる今の時期に雨が降っていないだけ、まだマシです。噴き出る汗を拭いながらも順調に歩みを進め、目的地の駅まではあと少し。ところがここへきて、交通量の激しい大きな幹線道路が横切り、行く手を阻まれてしまいました。さらに先へ行くにはこの道路を渡らなくてはならないのですが・・・困ったことに、あたりには歩行者信号が見当たらない。<(゚-゚=)キョロキョロ(=゚-゚)ゞ

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交通量の多いカンボジアの幹線道路。
ラッシュ時などではなく、常にこんな感じで、
クルマよりもバイクの多さに驚かされます。

仕方なく、ここを渡れる歩行者信号か歩道橋などを求めて、しばらく駅へ向かうルートから外れて幹線道路沿いを歩いてみるも、安全に渡れそうな箇所がいっこうにありません。それどころか、やがてこの道には歩道すらなくなってきてしまい、何台ものバイクが私の肩をかすめるように飛ばしてゆきます。これはスリリングで、かなり怖い ヒイイィィィ((((((((lll゚Д゚)))))))) 。そんななか、ようやく見つけたのは・・・なんと、信号機の無い横断歩道 Σ(゚Д゚;)エエッ!? 。 この片側三車線で環七並みの交通量がある道路で手を挙げて渡れってか!? こんなの松崎真だって絶対無理だろ!オーダンホドーハo( ´ ∇ ` )ノ テヲアゲテ~♪ ためしに渡る意志を示しつつ横断歩道脇へ立ってみますが、当然のごとくクルマやバイクが止まってくれる気配などまるでナシ ━─━─━ゼッタイ、ムリポ_| ̄|○━─━─━。渡りたくても渡れない道路を目の前に、ボー然と立ち尽くしていると、そこへ一台のトゥクトゥク(バイクの簡易タクシー)が停まり、「どこへ行くんだ? 乗らないか?」と声をかけてきました。このままずっと渡れなくては埒があかないし、暑さによる疲労もあるので、ここは素直にトゥクトゥクを利用することにしましょう。でもその前に料金交渉を。タイやベトナムなどの近隣国と同様に、ここカンボジアでもタクシーや、このトゥクトゥクを利用する際にはあらかじめ料金を交渉して決めておかなくてはなりません。そうでないと、降りるときになって高い料金をふっかけられる恐れがあるからです。そこで、「駅まで行きたいんだけど、いくら?」と尋ねると、運転手のにーちゃんは二本指を立てて「ちゅーだらー(2ドル)」とのこと。カンボジアには独自の「リエル」という通貨が存在しますが、外国人の多い観光地やプノンペンのような大都市ではUSドルも流通していて、旅行者はそちらを使うのが一般的。駅まで一キロ弱の距離で2ドルという料金は、はたして現地の感覚で高いのか安いのか解りませんが、現在(6/18)の1ドルは98円なので2ドルでも200円以下。考えてみたら都バスの料金(210円)より安いのか・・・。私はうなずいて交渉成立。

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トゥクトゥクに乗って、プノンペンの街を走ります。
ちょっと生暖かいけれど、風が気持ちいい~ヽ(〃'▽'〃)ノ♪

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やがて道の先に、瀟洒な白亜の建物が見えてきました。

乗車からわずか5分足らず。道路を渡れずにしばらく立ち尽くしていたのがアホらしくなるくらい、あっけなく私を乗せたトゥクトゥクは目的のプノンペン駅に到着。こんなことならホテルから直接トゥクトゥクに乗ってくればよかったよ・・・(´∀`;)ヤレヤレ。

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立派な西洋建築のプノンペン駅。
駅の詳しい歴史は解りませんが、
カンボジアの鉄道はフランス植民地である仏領インドシナ時代の
1932年にこのプノンペンからプルサトまでが開業しており、
おそらくこの駅舎も、その開業時に建てられたものではないかと思われます。
カンボジア国鉄 プノンペン

トゥクトゥクを降りて、さっそく駅舎へと向かおうとすると、突然、何人かのゴツい男たちに呼び止められます。実は休止状態となっているプノンペン駅はホームレスの巣窟と化していて、あまり治安がよくないらしい。そんな情報を得ていたことから、男たちに声をかけられたことで一瞬たじろいでしまいます ((゚ω゚;))ビクビク 。でも、「バタンパン」とか「プルサト」などと街の名前を連呼する彼らは、ホームレスではなくタクシーの運転手。走っていない列車の代わりにオレのクルマを利用しろとのことなのですが、もちろん私の目的は駅の訪問だけなので、手や首を横に振って拒否します。そんな彼らを振り切って駅舎へ近づくと、今度は視界に真の(?)ホームレスの姿が飛び込んできました。これにはさすがに近づくのを躊躇してしまいますが、カメラを持ってウロウロしている私を見ても向こうは特に興味を示す様子はないし、直接彼らを写真に撮るなどといった挑発的な態度を取らなければ、おそらく大丈夫だろうと判断。勇気を持って駅の撮影へ臨みます。(結果から言うと、恐れていたようなことは何も起こりませんでしたが、カンボジアだけでなく海外では予想外のことも起こりえますので、常に細心の注意を払う必要があります)。

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大きな袋を担ぐ女性の向こうに、
駅舎にたむろするホームレスらしき人たちの姿が見えます。

しかし駅舎の入り口はシャッターが閉められており、簡単に構内へは入れない状況で、改札やプラットホームの様子などはそのシャッター越しにしか眺めることができません。ホームレスたちも駅舎内ではなく、その手前にある軒下を寝床にしています。その閉じられたシャッターの隙間から覗くと・・・おや?駅舎のなかにも寝ている人がいるぞ?

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現在は列車の運転がなく、ガランとした駅舎内。
待合室と思わしき場所のベンチには、
男性がハンモックを吊るして眠っていました。

彼もホームレスの一人かと思いきや、よく見ると身なりがしっかりとしていて、明らかに軒下のホームレスとは違います。同様に駅舎内で寝ていた何人かも含め、おそらく彼らはこの駅を管理している軍の者か、もしくは今も進められている鉄道再生事業の労働関係者あたりだと思われます(推測ですが)。そして寝ている彼の先に目をやると、シャッター越しに黄色い鉄道車両の姿が見えるではありませんか!(゚∀゚)オッ!

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シャッターで閉ざされたかつての改札口の向こうにはプラットホームがあり、
その構内の側線には黄色いDLが同色の貨車を連ねて留置されていました。

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機関車をクローズアップしてみると、
「BB1060」のナンバープレートが読み取れます。
(トリミング済み)

ホーム脇に留置されていたのは、BB1060形という中国製のディーゼル機関車。しばらく運転が行えずに車両の老朽化が伝えられていたカンボジアの鉄道にしては、まさに予想外とも言うべき、新しくてモダンな形をした車両です。実はこのBB1060は2005年に製造された最新型にもかかわらず、現在はほとんど運転されていない「宝の持ち腐れ」状態。しかし近い将来にカンボジアの鉄路は国内の再生のみならず、隣国タイとの連結計画、さらにベトナムまで路線を延長する計画もあり、それが完成した場合には各国を経て、中国・タイ・ベトナム・マレーシア・シンガポールの鉄道とも連絡が取れることとなり、「東南アジア横断鉄道」といった夢も膨らみます。その暁には、この中国製のBB1060に活躍の場が与えられるのではないでしょうか。そしてこのプノンペン駅にも、活気が戻ってくることを期待したいものです。

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せっかくなら、もう少しスッキリとBB1060が
撮れるところは無いかと移動してみるも、
敷地外からだと、やはりこの程度が限界か・・・。

それにしても、なにか鉄道にまつわるものがあればいいな・・・・といった程度の期待で訪れたプノンペン駅ですが、留置中のディーゼル機関車が見られるとは、思わぬ収穫でした。ただ、この機関車はちょっと新しすぎて、私が勝手に思い描いていた「運休により朽ち果てて、味の出たカンボジアの車両」というイメージとは、だいぶかけ離れていました(そんなのを期待するのは失礼なんですけれどね・・・^^;)。 そこで、もう少し面白いものは見つけられないかと、さらに駅の周囲を回ってみることに。すると・・・

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柵の向こうに見えるのは・・・SL!?

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近づいて見ると、たしかに蒸気機関車でした。
wikiによるとこれは136-106という形式の機関車で、
軸配置は日本式で言うところの1-C-1、プレーリー形。
秩父鉄道で活躍しているC58形に似ています。

敷地内の南側には、静態保存の蒸気機関車・136-106が鎮座していました。赤錆なのか、それとも元々こんな色なのかはわかりませんが、野ざらしの割には状態がよく、テンダーの補強柵(?)などが独特で、なかなかいい感じ。静態の保存機関車ではあるものの、少なくても先ほどの黄色いBB1060よりは、私のカンボジアのイメージに近い気がします。一般道に近い場所にあるSLは、上写真のように低い柵の外側からでもじゅうぶんきれいに撮影できるのですが、できればもっと近づいて、運転室まわりやテンダーなどをよく見てみたい。厳重なシャッターで閉ざされていた駅舎には入ることができなかったけれど、見たところこのSLは半ば公開展示的な保存状態だし、理由を説明すれば近くで見せてもらえそうな気がします。しかし、このSL近くで警備していた門番に交渉してみるも、答えはピシャリと「NO!」 (乂・д・´)ダメッ! 。 撮影したければ敷地外からしろとのこと。考えてみればそれは当然のことで、たとえ現在は休止中であっても、ここは国鉄という国が管理する敷地のひとつで、少なくとも外国人がそうたやすく入れる場所ではないのです。門番なんて軽々しく呼んでしまった彼も実は国を守る軍の兵士であって、敷地外のアングルを模索して右往左往するワケノワカラナイ日本人に対し、自動小銃を片手に目を光らせているのでした (`・ω・´)ゝ キリッ 。

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SLと門番・・・いや、警備の兵士をギリギリ敷地外から撮影。
「一歩でも門の中に入ったら、自動小銃を構えるぞ!」
って、そんなことはありません。
・・・たぶん。

時間的にそろそろ戻らなくてはならず、これにて駅散策は終了。駅舎やSLなど、敷地外からではあったものの、鉄的なカンボジア観光のいい記録ができました。しかし、閉ざされた駅に留置されているDLや静態展示のSLなどはいくら撮ったところで、満足というよりも虚しさが募るのみです。やはり動いている列車、そしてそれを利用するための旅客が行きかう駅の姿。そんなシーンが見てみたい。復旧工事が進められているカンボジアの鉄道には、その活気を取り戻す可能性がじゅうぶんに見えています。何年後かに再びこの場所を訪れたとき、今度はホームレスではなく、楽しげな旅客の姿で賑わっていることを願っています。

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散策していたらノドがカラカラになってしまったので、
駅前にいたジュース売りのにーちゃんから一杯買い求めます。

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せっかくなら、コーラやファンタじゃ面白くないので、
現地のクメール語が書かれた毒々しい色の飲み物を選択。
にーちゃんは「オレンジジュース」だと言っていたけれど、
果汁0%、合成着色料・甘味料100%のような、
とてもケミカルな味のジュースでした。
こういうのキライじゃないけれどね・・・(^^;)

さて、駅前でジュースを飲んだ後にホテルへと戻り(もちろんトゥクトゥクで)、汗だくとなった洋服を着替えて午後の仕事に臨みます。何人かの同行者とともに迎えのマイクロバスで移動すると、走ってゆくのは先ほどのプノンペン駅方向。なんと仕事で訪れた会議室はプノンペン駅の真ん前だったのです。しかもそのビルからはこんな眺望が広がっているではありませんか!w(゚∀゚)wオオッ!

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プノンペン駅に留置されている、
BB1060を先頭にした黄色い貨物列車編成が一望!
道路にトゥクトゥクが走ってくるタイミングを見計らって、
シャッターを切ってみました。
カンボジア国鉄 プノンペン

実は会議が行われたのは、あまり眺望の利かない二階の部屋だったのですが、仕事後に無理を言って、五階の空き部屋からこのカットを撮らせてもらっちゃいました。でも、こんなところでカンボジア鉄道の俯瞰撮影ができるなんて、これも鉄運があると言っていいのかもしれません (^^)。

 

☆おまけのカンボジア・ダイジェスト☆

鉄道に特化したこのブログ。本編ではプノンペン駅を中心にお伝えしましたが、前日には世界遺産で有名なシェムリアップのアンコールワットなどを観光してきました。ここではその様子をちょこっとだけご紹介したいと思います。

6月16日(日)
東京・成田(NRT)1100-(JL717)-タイ・バンコク(BKK)1540
タイ・バンコク(BKK)1720-(PG907)-カンボジア・シェムリアップ(REP)1815

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バンコクからシェムリアップまで乗った飛行機は、
魚のイラストが描かれた、小型のプロペラ機でした。

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上は12世紀前半のアンコール王朝時代に
ヒンドゥー教寺院として建立されたアンコールワット。
下は12世紀後半に建設されたといわれているアンコールトム。
どちらもそのスケールの大きさと緻密な壁画(回廊レリーフ)などに
圧倒されてしまいました。
私はあまり信仰心などないけれど、
石仏や壁画などに囲まれた空間に身を置くと、
なんだか心が落ち着くように感じます。
ただし、まわりを熱帯雨林に囲まれているので蒸し暑く、
アンコールワットの塔の上まで上がるのはキツかった~(^^;)

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シェムリアップでの食事処はよく解らなかったので、
トゥクトゥクの運ちゃんに「美味しいところに行きたい」というと、
連れて行ってくれたのが、飾り気のない大衆食堂。
メニューが読めず、とりあえず店のおススメを注文しましたが、
ここで食べた麺(クイティウ)や炒飯(バーイチャー)は絶品でした。
また、それがカンボジアビールに合うんだなぁ・・・。
チョー(゚д゚)ウマー


6月17日(月)
シェムリアップ(REP)1640-(K6108)-プノンペン(PNH)1725

6月18日(火)~19(水)
カンボジア・プノンペン(PNH)1910-(PG936)-タイ・バンコク(BKK)2020
タイ・バンコク(BKK)2320-(JL718)-東京・成田(NRT)0735



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